王室ゆかりの由緒正しい工芸品として韓国の文化財に登録されていた花瓶が日本で作られたものと判明し、韓国政府が登録を取り消しました。決め手となったのは花瓶の底に刻まれた、ある印でした。
記者
「朝鮮王朝の王宮の敷地にある博物館です。当時の文化や歴史を伝える施設ということで、建物は伝統を意識したものになっています」
韓国ソウルの観光名所、景福宮の敷地にある国立古宮博物館。厳かな雰囲気が漂うこの博物館で保管されていた工芸品が、予想もしない事態に見舞われました。
輝く銀色の胴の部分に、「大韓帝国」時代の王室紋章であるスモモの花とされる飾りが付いている、こちらの花瓶。1910年代に、王室御用達の工房で製作されたものとして、14年前、韓国の国の文化財に登録された一品です。
当時の報告書を見てみると…。
韓国文化財庁の報告書
「伝統的な古来の形態に近代的要素がぴったり合い、1910年代の工芸品製作の実相まで示す歴史的遺物」
しかし、今月3日、韓国政府は花瓶について文化財の登録を抹消すると発表。その理由は、花瓶の底にはっきりと刻印されている「小林」という文字です。
記者
「官報を読んでみると、『小林』という刻印は東京の『小林時計店』の製品を表すことが確認されたので、登録を抹消すると書いてあります」
韓国の文化財庁が調べ直したところ、「小林」は明治時代、今の銀座に本店を置いていた「小林時計店」のことを指すと分かったのです。
なぜ刻印を見逃してしまったのか、韓国メディアが報じた関係者の話では…。
韓国文化財庁の関係者
「当時、文化財委員たちが花の紋章ばかりに注目し、瓶の底を確認しなかったようだ」
花瓶は文化財ではなくなってしまいましたが、そのまま博物館で保管されるということです。
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