熊本工業高校・繊維工業科は、伝統技法から最先端技術に至る「繊維素材」の専門分野を勉強する学科ですが、今回 天草市の会社が協力し「熊本の色を探す」授業を行いました。

サーキュライフ 川原 剛 代表「自然の草木染めで色を作りたいと思っています」

教壇に立つのは、天草市を拠点に活動する川原さん。

県内のスギやヒノキを使った糸や布製品など、環境に配慮した商品のプロデュースや販売を行っています。

早速、初めての授業で生徒たちに「熊本の色」を聞いてみると。

生徒「トマトと書きました。熊本って言ったらトマトかなと思って」
生徒「紫いもをやってみたいです」

挙がったのは水前寺菜やデコポンなど「熊本の特産品」。思いつくままに書き出してもらいました。

「提案」の後は「実践」。川原さんは、天草で栽培が盛んな「オリーブの木」から抽出した染料を持ってきました。

これは当初、高校生の提案には入っていなかったものです。その狙いとは?

生徒「これめっちゃいい黄色。かわいい。熊本の色は最初は紫かなって思ったんですけど、作ってみたらこういう渋めの色もいいなと思いました。知らないことばかりで面白かったです」

生徒「熊本には木がたくさんあるから木の色」

4か月に渡って行われた熊本の色を探す授業。生徒それぞれに新たな発見があったようです。

川原さん「環境に良いが先ではなく、かっこいいとかきれいとか、そういうところから入って結果的に環境にもいいみたいな。こうやって若い人が関心を持ってくれるのが重要だと思う」

「オリーブの木の染料」を使った授業では、いくつかの染色技法を試したそうで、同じ素材でも違った染め上がりとなりました。また、生徒たちは川原さんとの授業とは別に校内にある桜の枝でも実験しました。

生徒たちに色を探す授業を行った川原さんは「高校生が挙げた特産品は、今後染色を試して良いものがあれば商品化していきたい」と話しています。