卒業式のマスク着用について、政府は特例として方針を打ち出せないか検討することが明らかになりました。6年生はどう思っているのか、都内の小学校を日比キャスターが取材しました。
卒業式でのマスクどうなる?「着用を推奨しない」案も…

日比麻音子キャスター:
実際、卒業式のマスク着用について取材をしたところ、6年生の児童の皆さんは4年生の頭、3年生の終わりぐらいからマスクを着けている。つまり、小学校生活の半分ぐらいはマスクを着けているわけです。「外してもいいよとなったらどうしますか?」と聞いたところ「外すのは恥ずかしいな」といった声もたくさん聞こえてきました。
このマスクの向き合い方は非常に難しい場面に来ていると思います。
▼卒業式のマスク着用 政府の方針
特例として方針を打ち出せないか文科省を中心に検討
「マスク着用を推奨しない」案など
政府関係者「卒業式くらいはマスクを外してあげたいというのは、教育行政の現場としては当然」
実際に都内の小学校に取材に行ってきました。

▼池袋本町小学校の卒業式でのルール
・卒業式では原則マスク着用
・卒業証書授与や写真撮影ではマスクを外すことが可能
・校歌斉唱など大きな声を出さない
・保護者は2人まで
そして、卒業式でのマスクの着用にはいろんな意見が聞こえてきました。

▼卒業式のマスク 6年生は…
「いきなりマスク外すと、かぜかコロナになったりするかわからないので外しません」
「マスクをつけたり外したりしなきゃいけないのは正直面倒くさい」
「親は卒業式こそいい写真をとりたいので、外して欲しいと言っていた」
4年生の児童を中心に、他の学年の皆さんにもいろいろ聞いてみました。
実際「新型コロナウイルス怖いですか?怖くないですか?」と聞いてみたところ、ちょうど半分ずつぐらいでした。
▼池袋本町小学校 4年生の声
「怖い」…親が感染したときに隔離したのが寂しかった
「怖くない」…自分がかかったけど症状が軽かった
ますます児童のコロナに対する認識が、いろいろな実体験をもとに変わってきているからこそ、マスクのあり方を個人の判断に委ねるとなると非常に難しいと現場に行って思いました。
若新雄純 慶応大学特任准教授:
「着用を推奨しない」って日本語として難しくないですか。「日本の伝統芸」っていう印象がある。「推奨しない」って言われていても、半分ぐらいがマスクしていたらどうします?つまりこの案には解釈の幅が残されてるじゃないですか。
正解がわからない。国のリーダーたちも自分たちで先陣を切って、雰囲気を作るんじゃなくて、みんなが空気を作り上げるのを待ってるんだと思う。みんなが「もうそろそろ外してもいいよね」ってなってきたら「推奨しないんだから外しましょう」と言う。「いやいやまだ不安だ」となると「推奨しないだけで、つけてもいいんだよ」とも言えるという。
時間をかけてジワジワと社会全体で方向を決めるやり方。最終的に決まるまで、時間がかかる。「決断できない国・日本」の正体の一つなのかなという感じがする。「個人の自由に判断を委ねる」って話は何だったんだってなりかねないと思います。
ホラン千秋キャスター:
「推奨しない」と言いつつも、やはり保護者の方には「心配だから着けてほしい」という声が大きい場合があると思う。学校としては「どっちでもいいです」とも言えないので、ルールを作ろうとすると心配な人たちに合わせて「着用してください」と落ち着きそうな気がする。
日比キャスター:
校長先生に話を伺いました。「安全」だけではなく「安心」も確保しなければいけないという、バランスを取るのが難しいという声がありました。