聞き慣れない「PFAS」(ピーファス)という物質ですが、フライパンや業務用の洗剤など身近な物に使われてきました。それがいま、発がん性や胎児への影響など、人体への影響が指摘されているのです。
「PFAS」が検出された東京・多摩地域で住民の血液検査をしたところ…多くの人がアメリカで定める指標を超える濃度であったことが分かりました。住民からは不安の声…実際に検査に携わった専門家とともに解説します。
有害性指摘の「PFAS」 東京・多摩地域でアメリカの基準超える


上村彩子キャスター:
有害性が指摘されている「PFAS」は水や油をはじく性質があります。身近なものでは、▼フライパンのコーティング▼揚げ物の容器▼防水加工の衣類▼業務用洗剤などに使われてきました。

去年11月から12月にかけて「PFAS」が検出された東京・多摩地域住民の血液検査が行われました。検査を受けた87人のうち74人、全体の約85%にあたる人たちの「PFAS」の血中濃度がアメリカの基準を超えていたということです。

しかしこれまで、なにも対策をしてこなかったというわけではありません。東京都水道局は目標値を超える「PFAS」が検出された場合、井戸の取水を停止するなどの措置を行ってきました(2021年までに11施設)。

しかし周辺住民からは不安の声が…
30代母親
「子供の成長に支障があるのか不安」
60代女性
「ペットボトルの水を買おうかな」
ホラン千秋キャスター:
「PFAS」は日常的に調査を行っているものなのでしょうか?

京都大学 原田浩二准教授:
目標値が設定されてからは比較的調査されるようになりました。今回血液検査が行われた多摩地域も、ある程度目標値は下回るようにはなったと思います。
ホランキャスター:
では、実際に水道水を飲んでも大丈夫ということですか?
京都大学 原田浩二准教授:
そうですね。今は目標値が下回っているので。ただ、この目標値は今後下がる可能性が考えられますので、行政はより少なくする努力が必要だと思っております。
井上貴博キャスター:
アメリカの規制強化は去年6月と考えると、日本がこれだけ出遅れてしまった差というのはどうお考えですか?
京都大学 原田浩二准教授:
元々、実態調査が隅々まで行われていなかったと思います。その中で、たとえば沖縄で水道水で高く検出されたとか、この数年で明らかになっています。
汚染されている可能性のある場所をどんどん探す、という姿勢がなかったのではないでしょうか。
ホランキャスター:
なぜ「PFAS」が検出されるのか、原因などは明らかになっていますか?
京都大学 原田浩二准教授:
「PFAS」を含むものを使用した場所は土壌が汚染され、そこから地下水、飲料水にたどり着いているという状況だと思います。