一方森山さんは、投票率、投票総数も落ちるなか、1万票以上の大差をつけられました。


森山政和(もりやま まさかず)さん
「私の政策が浸透できなかったということだと、深く反省しております。本当に申し訳ありませんでした」

沖縄アリーナ建設などで実績のある桑江さんに対し、給食費無償化などで差別化を図り、前回の野党系候補より2千票以上伸ばしましたが、接戦には持ち込めず。


玉城デニー沖縄県知事
「負けに不思議の負けなしというか、負ける選挙は必ず負ける要素があったということ。有権者の判断をしっかりと分析をして、またその次にしっかり備えていけるようにしていくことだろうと思います」

森山さんを支援した玉城知事は、運動量で桑江さんに劣ったと率直に認めました。
オール沖縄陣営の参議院議員、伊波洋一さんは運動の「広がり」を課題にあげています。


伊波洋一参議
「全体的に運動の枠の組み方も含めて広がりが作り切れなくなっている我が陣営のオール沖縄の、この沖縄市での形が現れたのではないかと思いまして」

基地問題で結集するオール沖縄勢力。基地が大きな争点となる全県選挙での強さも、地域の首長選挙では発揮できず、これで市長選4連敗。参院選、県知事選までにどう体制を立て直すのかが、今後の焦点となります。

【記者解説】
今回の選挙、実は、前回と比べると自公とオール沖縄の差は縮まっています。4年前には1万5千票差の圧勝でしたが、今回、桑江さんは得票が3千票減りました。一方森山さんは知名度で劣る選挙戦でしたが前回桑江さんに挑んだ候補より2千票増やしています。

桑江事務所の一部には、給食費無償化を求める有権者が森山さん支持に変わったという見方があります。森山さんは、名護市長選でも話題となった給食費無償化にニーズがあるとみて、桑江さんとの差別化を図りました。及ばなかったとはいえ子育て費用の負担軽減を望む声が大きいと分析されれば、桑江さんの市政運営の参考にもなりそうです。

しかし一方では投票率が過去最低のおよそ45%でした。政治に関心を持てない、期待しない層がじわじわ広がっていると思います。どちらの陣営も、実現性や具体性のある政策づくりや情報発信で市民と政治をつないでしいと思います。