去年9月、運転操作を誤った車が突っ込み休業を余儀なくされてきた宮城県の南三陸さんさん商店街の菓子店が1日、営業を再開しました。
店の開店:「いらっしゃいませ、お待たせしました」

営業を再開したのは、南三陸さんさん商店街の菓子店、「オーイング菓子工房Ryo」です。開店と同時に仙台などから大勢の人が訪れ、待っていたマドレーヌなどを買い求めました。
町内から訪れた人:「娘がすごく楽しみにしていて、きょうも娘に頼まれて買いに来たので家に帰ってみんなで食べたい」

事故現場に居合わせた人:「想像以上にやられてるところが多かったので、本当にお店戻るのかなと、大好きだったので、ずっと心配でした」

オーイング菓子工房Ryo 長嶋涼太さん:「元に戻ったというか、前以上に皆さんの笑顔をマドレーヌ、お菓子で広めていければなと」

営業中の店内に突然、車が突っ込んだのは去年9月9日。事故の被害は店の心臓部でもあるオーブンにまで及び、ほぼすべての備品が使えなくなってしまいました。

事故当時 長嶋さんの妻:「突然大きな音と一緒に。一瞬後には車だという感じで。まさか自分の店にと思った」

再開を5日後に控えた1月27日、店を訪ねると真新しいオーブンでスタッフと一緒にマドレーヌを焼きながら開店の準備をする長嶋さんの姿がありました。

事故から程なくして、南三陸町の震災伝承施設もオープンし商店街がにぎわう中、ずっと休業を強いられてきた長嶋さん。休業している間は店の蓄えを取り崩してスタッフの給料に充てていました。一日も早くマドレーヌを焼きたい。そんな思いを胸に毎日、閉ざされた店に通い再建を進めてきました。
オーイング菓子工房Ryo 長嶋涼太さん:「震災があった時になんとかまたお菓子を作りたいと思い続けて来ていたので、今回事故があって作れなくなった時も、あの時の思いだけは曲げなかった。だから今回も曲げなければ絶対復活は出来ると自分の中で信じていたので」

事故から4か月余り、再開した店には再びあの優しい甘い香りが漂っていました。
仙台から訪れた人:「よく復活してもらえたなと、通販では買えない焼きたての味があるからこれからも頑張って欲しい」

オーイング菓子工房Ryo 長嶋涼太さん:「今回もたくさんの応援、励ましがあったので、何度でも立ち直れるのではないかと思っている」

震災と事故を乗り越え、長嶋さんはこれからもマドレーヌを焼き続けます。














