飛ぶように売れるある商品、それは特製の「田楽みそ」です。

どんな料理にも使えるように幼一さんが30年ほどかけて味を完成させた万能みそです。

店ではロースカツ定食用のつけだれとして提供しています。

ロースカツ定食を注文した客「他にはないみその感じ。美味しいです」

このつけダレには多くの客から「売って欲しい」と要望が…そこで、客の声に応え商品化した逸品なのです。

幼一さん「時間がかかるのでお客さんの相手ができない。店が休みの日に仕込みをしている」

2か月に1度、店休日に敷地内にある加工場でみそ作りを行います。2日がかりで行うこの作業には、東京で暮らす長男も手伝いに駆け付けます。

特製の万能みそは2種類のみそを使うことが最大のポイント。塩味の「赤みそ」に甘みのある「白みそ」相性の良い味噌を厳選し、独自の比率で混ぜ合わせ、幼一さんオリジナルの合わせみそにします。

そこへ、ごまやみりんなども入りますが、詳しい作り方は企業秘密です。

幼一さん「ずっとまぜ続けないと、焦げついたら使いものにならないので」

焦がさないよう細心の注意をはらいながら親子でかわるがわる鍋を混ぜ続けます。

時間にして約4時間…最後の仕上げに隠し味の「柑橘果汁」さわやかな香りがみその味をひきたて食が進む万能だれになるそうです。

全体に味をなじませるため、この後 一晩寝かせたらようやく完成です。

幼一さん「よく聞くのが『野菜食べられない子が食べられた』そういう話を聞いたら作ってよかったなと」

すべて手作りのため、1度に作れる量は小瓶300個分ほど。作れば1~2か月で売り切れになってしまうほどの人気ぶりです。

この日、山内さん夫婦はテレビ電話で何やら会議中。画面の向こう側には、働き者の両親を心配する県外に住む子どもたちの姿が。

長男・孝義さん「どういう風にアピールするかは難しい。アレンジレシピの公開が一番」

味と使い方を広めるためのアイデアを家族で出し合います。鯖缶でつくる煮物など10種類の以上の料理が発案されました。

その中で子ども達がおススメしたのが「焼きおにぎり」

作り方は簡単!ご飯にお好みの量の「万能みそ」を混ぜます。続いて、ごま油を入れ熱したフライパンでおにぎりに焼き色がつくまで焼くだけ。これで完成です。

万能みそのコクと香ばしさが手軽に味わえます。

幼一さん「自分たちでアレンジしやすい味にできていると思うので、いろんな形で使っていただければ一番いいかなと思います」