自衛隊で受けた性暴力被害について訴えていた五ノ井里奈さん。30日に国と加害者側に対し、損害賠償を求める訴えを起こしました。「戦う選択をしたくなかった」そう語った五ノ井さんには訴訟に至った理由がありました。

元自衛官が国・加害者を提訴 “軽い受けとめ”「ありえない」

元陸上自衛官 五ノ井里奈さん(23)
「誰かと争うということに、本当に抵抗がすごくありました。できることなら、私としては戦う選択をしたくはなかった」

元陸上自衛官の五ノ井里奈さん。現職時代に性暴力被害を受け、退職を余儀なくされました。加害者5名は去年12月、懲戒免職処分となっています。

1月30日、加害者5名に対し550万円、国に対して200万円の損害賠償を求める訴えを横浜地裁に起こしました。

裁判に踏み切った理由を問われると・・・

五ノ井里奈さん
「やっぱり相手側の弁護士の言葉ですよね、私と直接話したときも、『迷惑をかけた』とか、相手側の軽い受け止めが自分としてはあり得ないなと。10月の(加害者側の謝罪)時点では、誠意というか、感じられていたが、表面だけだったのかなと、今は思っています。形だけの謝罪だったのかなと」

去年12月、加害者側に求めた回答書も、まだ返答がないといいます。

「今も自衛隊が好き」という五ノ井さん。真実を明らかすることで、組織の改革が進む事を望んでいます。

五ノ井里奈さん
「このままではハラスメント等の根絶っていうのは、不可能なんじゃないかなと。また同じ被害に遭われたりする方とか、とにかく、もう二度とこのようなこと、事件というのはなって欲しくないので、(裁判で)真実を明らかにしたいと思っています」