民事訴訟の証拠収集制度の拡充を検討するため、平口洋法務大臣はきょう、民事訴訟法などの見直しを「法制審議会」に諮問しました。

民事訴訟をめぐっては、審理の長期化や見通しの不透明さが訴えを起こすハードルの高さに繋がっているなどと指摘する声が上がっています。個人が企業や行政機関を相手に訴えを起こす場合などに持っている証拠の量が片方の当事者に偏っていたり、個人情報や営業秘密を理由に提出を拒否されたりするなど、証拠を集める難しさが一因となっています。

審理を迅速化するという観点から民事訴訟の証拠収集制度の拡充を検討するため、平口洋法務大臣はきょう、民事訴訟法などの見直しを「法制審議会」に諮問しました。

具体的な諮問内容は、▼当事者間で立証に必要な情報を収集するための制度に裁判所が積極的に関与するなどして実効性を高める仕組みや、▼訴えを起こしたい相手の住所がわからない場合に裁判所が調査する制度の導入などが検討されます。

また、証拠提出や情報開示のハードルを下げるという趣旨から、提出された証拠の外部公開を一定の条件のもとで禁じる「目的外使用」禁止の導入についても検討される見通しです。

一方、禁止の対象には、私生活上の秘密や営業秘密のほかに刑事事件に関する証拠が含まれる可能性があり、検察官の不適正な取り調べの映像など、広く検証することが困難になるのではないかと懸念の声も上がっています。

平口法務大臣は、「民事訴訟制度は逐次の見直しがされてきたが、近年の民事訴訟の複雑困難化や証拠の収集の実情などを踏まえると、審理をより一層適正かつ迅速なものとする観点から、証拠の収集制度の拡充を中心として民事訴訟制度の見直しを行う必要があると考えている」と話しました。