「私をまんじゅう屋と呼ばないものはいない」。茨城県神栖市の市長が「まんじゅうや」などと書かれた票が「無効」とされた裁決の取り消しを求めた裁判で、東京高裁はきょう票は「無効」だと判断し、訴えを退けました。

白い筒状の入れ物に、「1」と「2」と書かれた透明な棒。このくじ引きで市長が決まる異例の選挙でした。

去年11月に投開票された茨城県神栖市の市長選挙。今の市長の木内敏之氏(65)と前の市長の石田進氏(68)の得票が1万6724票で同数となり、公職選挙法のルールに基づいてくじ引きで木内氏が当選しました。

しかし、石田氏から申し立てを受け、県の選挙管理委員会がすべての票の再点検を行った結果、「木内氏の当選を無効とする」と裁決。決め手となったのは…

『まんじゅうや』『だんごさん』

候補者の名前を書く欄にこう書かれた2つの票でした。木内氏の実家はまんじゅうなどの菓子製造会社ですが、県の選管は「木内氏を『まんじゅうや』と呼称することは一般的ではない」と判断したのです。

現・神栖市長 木内敏之 氏
「(市選管に)屋号の届け出は、まんじゅう屋としております。私をこの神栖で、まんじゅう屋って呼ばないものはいないです」

木内氏側が県の選管に裁決の取り消しを求めた今回の裁判。きょうの判決で東京高裁は…

東京高裁
「神栖市内には和菓子店が少なくとも9軒あって、木内氏の実家の菓子製造会社が、独占状態にあるとの事実は認められない。『だんごさん』や『まんじゅうや』との呼称が木内氏を指すものだと明らかではない」

実は木内氏側は、通称として「まんじゅう屋」と記載した届け出を市の選管に提出していました。

しかし、判決では「法令に定める届出ではなく、あくまで参考資料にとどまる」などと指摘。「まんじゅうや」など2つの票を無効と判断し、木内氏側の訴えを退けました。高裁の判決を受け、両者は。

現・神栖市長 木内敏之 氏
「(地元では)木内って呼ばれないで、まんじゅう屋、まんじゅう屋って呼ばれてました。(最高裁に)上告するかしないかは弁護士とよく相談してですね 、やっていきたいなというふうに思ってます」

前・神栖市長 石田進 氏
「市民が9万3000人以上いる町でみんながね、(「まんじゅうや」「だんごさん」を)氏名に代わるものとして見てるわけがないんですよ。(市長に)一日でも早く戻りたいと思っています」

判決が確定した場合、木内氏の当選が無効となり、石田氏が市長に就くことになります。神栖市民に話を聞くと。

神栖市民
「(当選が)駄目ってなって落選した人が今から新しい市長になりますみたいになるのか、ちょっと、そこら辺は気になりますね」

目立ったのは、“そもそも”な意見でした。

神栖市民
「団子屋で通るんだったら、私も立候補するかなんて言って。名前やっぱりきちんと書かないといけないでしょうね」
「投票した人がね、そういうふうに書いちゃったかもしれないけど、それは通らないと思う。神栖人としては恥ずかしい」