ネパールと中国を襲った大規模な土石流の発生からあすで1週間。死者は合わせて1000人を超えました。当時、濁流にのまれた被災地にいて、間一髪で命の危機を逃れた日本人がいました。

JNNが向かったのは、ネパール中部ヌワコット郡のビドゥール。

記者
「ヌワコット郡の被災地に来ていますが、破壊された住宅がいたるところにあります」

ビドゥールの被災者
「私たち家族は全員助かりましたが、友人の5人家族は橋の近くにいて。子どもが『お母さん、洪水が来た!逃げて!』 と叫んで逃げようとしましたが、5人は流されてしまいました」

地元のボランティアが住宅などから土砂を掻き出す活動を行っていますが、今なお残る大量の泥が被害の悲惨さを物語っています。

そのビドゥールに滞在し、間一髪で難を逃れた日本人がいます。

東京外国語大学(チベット文化・言語) 星泉 教授
「地鳴りのような音でしたね、ゴーッという低い音で」

東京外国語大学の星泉教授と駒澤大学の別所裕介教授。2人はチベットやヒマラヤの食文化の調査のため、中国との国境に近いネパールのラスワ郡などに滞在。宿泊したビドゥールのホテルを朝に出発した直後、国境付近で土石流が発生しました。

東京外国語大学 星泉 教授
「当日の朝8時55分、快晴ですよね。(Q.このときにはすでに上流の方では土石流が発生?)発生していたでしょうね」

このとき通った橋は濁流で破壊されましたが、星さんたちは高台にいたため、間一髪、難を逃れました。

東京外国語大学 星泉 教授
「ちょっと早く出たり、ちょっと遅く出たりしたら、巻き込まれていたんだなっていう。巻き込まれていたら、ここにはいないですし、もう。山肌がえぐり取られて灰色になっているのが、すごくよく見えて、もう本当にショックでした」

しかし、同行していたネパール人運転手のツェテンさんは家が流され、両親や妻など家族6人の行方が分からなくなりました。

東京外国語大学 星泉 教授
「(ツェテンさんは)肩を震わせて泣いて、私たちも抱きしめて。でも、かける言葉がないですよね。とてもとても複雑な気持ちで、助かって良かったとかは全く思わなかったです。まず最初に、それは出てこなかった」

これまで何度もラスワ郡などを訪れたことがある別所さんは…

駒澤大学(宗教学) 別所裕介 教授
「私の知っているバザールやホテルをやっている人たちとか、お店をやっている人たちが、みんないなくなって消えてしまったんです。こんなことがあっていいんでしょうかね」

一方、住まいを失った人たちが身を寄せる避難所。

行方不明者の家族
「自分たちだけが助かり、家族は助からなかった。とても悲しい」

土石流の発生から、あすで1週間。日本人5人の安否も分からないままです。