目の見えない人と見える人が対話を通じて美術作品を鑑賞する。そんなワークショップが県立美術館で開かれました。全国的にはまだ認知度が低い新しい鑑賞の形ということですが、どうやって作品を「観る」のでしょうか。

「視覚障害者とつくる美術鑑賞ワークショップ」はよさこい高知文化祭の支援事業の一環として高知県が県立美術館と共に開きました。参加したのは盲学校の生徒と県内の高校生、大学生10人です。鑑賞するのは絵金の芝居絵屏風です。

(高知県立大学4年生 山脇羽夏さん)
「くすんで薄めの色が多い中で、着物の色とかが赤とか黒とかハッキリしているものなので、対比になって見えるかなって」

(視覚障害のあるスタッフ)
「人物が浮き上がって出てくるような見え方、映える感じなのかしら」

まず目の見える人が作品を描写し、見えない人が質問します。見える人は見えない人の質問に新たな気づきを得て、さらに詳しく描写したり受ける印象を話したりして対話を重ね、互いに作品への解釈を深めます。一見、十分説明できたかのように思われましたが…

(スタッフ)
「一個誰もまだ一言も言っていないものがありますよね。実は絵の真ん前にろうそくを模した照明があるんですけど…」

鑑賞会では目の見える人が「当たり前」と捉えすぎて伝えられていない情報に気づくことも大切です。その後参加者たちは見える・見えないの境界を越えて絶えずイメージを言葉で共有し作品を鑑賞していました。

(高知県立大学4年生 山脇羽夏さん)
「自分が全部見えている状態で、普段何も考えずに見ているだけだったなと感じて。見ているものをひとつずつ、大きさがこうで、形は?色は?っていう風に考えながらどうやったらイメージしやすいように伝わるかなっていうのは、すごく考えながらやるのが難しかった。細かい描写とか色使いとかを伝えていけたら、すごくイメージしやすいようになるかなと思ったので、そこを次は意識したい」

(県立盲学校中学部2年生 和食崇人さん)
「僕光しか見えないんですけど、色んな人がどんな絵が描かれているか言ってくれたので分かりやすかったです。色のイメージとかがあんまりなくて、この色はどんなイメージなのか、聞いたり意識しながら作品を楽しめるなと思いました」

県の担当者は「『視覚障害者と対話を通して楽しむ美術鑑賞』はまだ認知度が低いためよさこい高知文化祭を通じて全国に広めていきたい」としています。11月15日(日)には一般の人も自由に参加できる視覚障害者との美術鑑賞ワークショップが開かれます。