土石流災害が起きた静岡県熱海市伊豆山で、崩れ残った土砂を撤去するため、静岡県が行っている行政代執行の工事用道路の建設が1月23日から始まりました。不安定な土砂の撤去完了は5月頃になる見通しです。
<神谷修二カメラマン>
「いま、土石流の起点となった部分に重機が入りました。工事用道路が完成すると、いよいよ土砂の撤去作業が本格化します」
冷たい雨が降る中、1月23日から始まったのは、土石流の起点付近の盛り土から崩れ残った土砂を運び出すための工事用道路の建設です。
2021年7月に発生した大規模な土石流災害。崩落の起点となった付近には、約2万立方メートルの土砂が残ったままです。静岡県は盛り土を造成したとして、前の土地所有者である不動産会社に土砂の撤去を求める措置命令を出していましたが、不動産会社はこれを拒否。2022年10月に代執行に踏み切り、測量や樹木の伐採などを終え、ようやく1月23日、工事用道路の建設に着手しました。
 
熱海土木事務所によると、工事用道路は崩落部分の上下2か所に建設され、2つのルートから不安定な土砂を運び出す予定です。工事の進展を受け、伊豆山で漁業を営む男性は複雑な思いを口にしました。
<漁師 松本早人さん>
「源頭部で泥を出す作業をすると泥が港に流れてきちゃう。そんな不安は抱えてます。地元民としては泥を早く撤去してもらいたい、一日でも早くどけてもらいたいという思いはあるけど、漁師としては泥水で悩まされてきてやっと水がきれいになってきてるので、(工事により)泥が流れてこないことを祈る」
熱海土木事務所は土砂が下流に流出しないよう、土砂だまりを作り工事を進めていくとしています。不安定な土砂の撤去完了は、5月頃になる見通しです。
注目の記事
【 山本由伸投手 】中学時代のチームの後輩は「並レベルの選手に見えていた、本当にあの人?(笑)」出身の東岡山ボーイズの選手たちは「山本選手みたいに世界を代表するピッチャーになりたい」【ワールドシリーズMVP】

強度行動障害のある28歳息子と初めて離れて暮らす決断 「自分たちが世話が出来なくなる前に」両親はパニックに対応できる施設を6年間探す...届いた「受け入れ可能」のメール

“ニセ警察官”から記者に詐欺電話「保険が不正使用されている」だまされたふり続けると“事情聴取”も…【特殊詐欺手口の全貌】

爆買いした戦闘機、その後どうなった? 膨張する“防衛費”国民生活への影響は【報道特集】

思春期中学生の10人に1人 朝起きられないのは「怠け」ではない~中高生に増える起立性調節障害~「当事者親子の声」

「骨が折れやすい難病」9歳の少年 YouTubeで出会った“憧れの先輩” 骨が折れても――始まった挑戦と、亡き母の思い









