中国で開催中のロボット運動会。ついにロボットが100m走で人類の世界記録を超えました。
急激に進化する背景に何があるのでしょうか?

■「4×100mリレー」限定されたエリアで次のロボットに引き継ぎ

JNN北京支局 松尾一志記者:
ロボット運動会の会場には、平日にもかかわらず多くのお客さんが会場につめかけ、熱気に包まれています。

会場で話を聞く限りでは、通常のスポーツ大会と同じように一般の観客が多く、子ども連れが多いという印象を受けました。

陸上の花形競技「4×100mリレー」では、人間のようなバトンパスは行いませんが、限られたエリアの中で次のロボットに引き継ぎ、次のロボットが走り出す様子が見られました。

前回大会の100m走や400m走では人間が追いつける速さでしたが、今回は人間が追いつけない速さに進化していました。また、コーナーを曲がる動作も、前回と比べてスムーズになっていて驚きました。

■100m走 ロボットが“ウサイン・ボルト”超えも…

高柳光希キャスター:
中国・北京で開かれている「世界人型ロボット運動会」。2回目の開催となる2026年は、日本チームを含む666チームが参加し、約2000体の人型ロボットが、サッカー・陸上・太極拳など、51種目の競技で競い合います。

陸上100mでは、ウサイン・ボルト選手が持つ人類の世界記録「9秒58」を超えて、「9秒32」を記録しました。2025年の記録「22秒08」から、この一年で大幅に速くなったことになります。

社会起業家 石山アンジュさん:
ものすごい進化のスピードですね。
AIが頭脳となり身体がロボットとなり、ある種、SFのような世界になっていると思います。こうした技術のスピードが、私たちの職業も変えていくのでしょう。

運動会ではロボットにエラーが生じている場面もありましたが、今後、こうした技術が軍事転用されたらどうなってしまうのかなど、リスクと可能性を感じました。

■炎上・転倒…ハプニング続出 担架で運ばれるロボットも

急激な進化がみられる一方、「炎上・転倒・搬送」といったハプニングも続出しました。

ヒトの身体能力を遙かに超えた人型ロボットですが、動けなくなり担架で搬送されるロボットや、車いすで 運ばれるロボットもありました。

「サッカー」の試合では、PKのチャンスでゴールを決めると…

記者
「喜びのポーズでしょうか。人型ロボットが喜びのポーズを披露しています」

ただ、サッカーには接触がつきもの。荒れた展開での転倒がある一方で、誰にも接触していないのに、ロボットが転倒する場面もありました。

「キックボクシング」の試合。格闘技で重要なのは相手との「間合い」ですが、相手を認識できないのか、“別の誰か“と戦っているようです。

さらに、「間合い」を読み違えたのか…

記者
「おーっと!回し蹴りを入れましたね。ただ…回し蹴りを入れたロボットの方が立てない」

■「ロボット運動会」で“技術をアピール”か 中国の思惑は?

高柳キャスター:
世界が注目するなか、こうしたある意味「失敗を見られる」ことをどう感じているのでしょうか。

出場チームの関係者は、「大会に参加するのは成績のためだけではない。競技中に発生した問題から教訓を得ることが重要」だとしています。

この「ロボット運動会」、中国側にはどのような思惑があるのでしょうか。

JNN北京支局 松尾一志記者:
中国側としては、中国のロボット技術をアピールし、あえて不完全なところを見せることで、ロボット産業を鼓舞するといった狙いがあるのだと思います。

ロボットの実用化を進めるにあたって「ロボットの人工知能が重要になってくる」という指摘があります。

その点については、競技を見てもまだ不完全な場面もあるので、次回はスピードはもちろん、ロボットの「器用さ」でも大きな進歩があるのかが注目されます。

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<プロフィール>
石山アンジュさん
社会起業家
“シェア”を通じて新たなライフスタイルを普及
政府の審議会委員や企業の社外取締役など幅広く活動