高精度化を阻む「結晶の中の謎」

高精度な固体原子核時計を開発するうえで、避けて通れない課題がありました。

トリウム229が結晶などの物質中でどのような環境に置かれ、その環境が時計の性能にどのような影響を与えるのかが、十分に解明されていなかったのです。

従来、物質の中で原子核がどのような環境にあるかを調べる強力な方法として「メスバウアー分光」が、化学・地質学・物性物理学など幅広い分野で活用されてきました。

しかしこの手法はガンマ線しか使えなかったため、大型装置や放射線源が必要でした。