政府が1%への引き下げ方針を決定した「食料品の消費税率」。街からは歓迎の声が上がる一方、農家などには困惑が広がっています。
東京・文京区にある老舗の食堂。ミックスフライ定食やカレーなどが人気です。しかし、いま“不安”を抱えているといいます。
動坂食堂・料理長 根本和明さん
「本当に潰れちゃうお店も出てくると思う」
高市総理(先月30日)
「飲食料品の消費税率1%への引き下げを令和9年4月より2年間先行させる」
政府は今月5日、食料品の消費税を来年4月から2年間1%に減税する基本方針を閣議決定。しかし、1%に下がるのはスーパーの食料品やテイクアウトなどが対象で、外食は10%のまま。その差は9%に広がります。
20代男性
「じゃあ家で作りますね」
30代男性
「お弁当として買って帰るとかが増えるかもしれない」
料理長の根本さんは、テイクアウトへの切り替えも容易ではないと明かします。
動坂食堂・料理長 根本和明さん
「コロナの時もテイクアウトをやっていた。(食堂に来る)お客さんに迷惑がかかってしまうので、テイクアウトはやめた。(食料品だけではなく)一律1%にしてほしいという気持ちはある」
一方、食材の「現場」にも焦りの色が…
農家 吹越達也さん
「特に病気にかかることもなく、収穫できています」
埼玉県幸手市で枝豆などを生産する農家。中東情勢などの影響で、肥料や資材の価格が高騰しているといいます。
農家 吹越達也さん
「肥料や農薬、野菜を梱包する袋が軒並み2割~3割値上がりしている状況」
そこに追い打ちをかけるのが、食料品の消費税減税です。吹越さんのような年間売り上げ1000万円以下の免税農家は、消費税の納付が免除されています。
このため、これまでは消費税「8%分」がそのまま利益となっていました。これが「1%」に減税されると、その分だけ手取りは減少。こうした利益は「益税」と呼ばれ、様々な指摘がありますが、吹越さんの場合は年間でおよそ45万円、収入が減る可能性があるということです。
一方で、肥料などの仕入れにかかる「10%の税負担」は据え置かれるため、手元に残る利益だけが削られる格好です。
農家 吹越達也さん
「『消費税が下がったから野菜の値段を下げてくれ』と求められても、正直、こちらとしては支払いの金額が変わらないのに、こちらの手取りだけ減らすっていうのは、どうしてもちょっと難しい話」
こうした“不安”は農家仲間の間でも広がっているといいます。
農家 吹越達也さん
「やはり皆さん言うのは『2年間なんとかしのごう』、おっしゃっている方は多いかなと思います。売上が下がった分をほかで補填できるように、なんとか努力していかなければいけない」
高市総理は、農家や外食産業への支援策について、「具体化する」としていますが、その具体的な案についてはまだ示されていません。
食の現場を“置き去り”にしない実効性のある支援が求められています。
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