目撃証言や事件後に発見された不審な金。被告人は、本当に犯人なのか?

14日、旭川地方裁判所で小学生が模擬裁判を体験しました。

本物の法廷で「有罪か無罪か」

本物の法廷で供述に矛盾がないか厳しい質問が飛びます。

弁護士役
「あなたはどこで何をしていましたか?」

証人(被告人の友人)役
「友達である被告人と一緒に、私の家でテレビを見ていました」

検察役
「(被告人が)来た時に時間は確認したのですか?」

証人役
「テレビで大リーグの試合を見ている途中で遊びに来たので一緒にテレビを見ました」

8月、小学生を対象に旭川地方裁判所で開かれた模擬裁判の1コマです。

裁判官や検察官、被告人などを務めるのは小学5・6年生の子どもたち。約30人が参加しました。

この日、審理されたのは「強盗傷害事件」。銀行に押し入った男が包丁で銀行員にけがをさせ現金50万円を奪いました。

検察役
「被告人はお金に困り、銀行強盗を思いつきました」

検察官によれば当時、無職で金に困っていたという被告人。

しかし、事件後、滞納していた4か月分の家賃=16万円を支払い、自宅アパートから現金25万円入りの封筒が見つかったと指摘します。

事件で、手を切られた銀行員です。

検察官役
「あなたは強盗の顔を見ましたか?」

証人(銀行員)役
「はい、あの人です」

防犯カメラの犯人は、マスクとサングラスで顔を隠していましたが、銀行員は「被告人が犯人」と証言しました。

一方、弁護人は、被告人のアリバイを主張します。

弁護士役
「被告人は無罪です。被告人は事件のあった時間は友達の家にいました」

無罪の決め手になるはずだった友人の証言。

しかし、検察官の鋭い質問で時間を確認していなかったことがわかりました。

検察役
「アリバイを証言していますが、遊びに来た時間を勘違いしているので、その証言は信用できません」

被告人役
「私は強盗なんてしていません!信じてください!」

裁判に提出された証拠を基に被告人が「有罪」か「無罪」かを話し合います。

チームA
「有罪です」

チームA(有罪派)
「『大家さんにお金を払っていたのはバイトでコツコツ貯めていた』と言うならもうすでに払い終えているはずだから」

「貯金があるなら、なぜ家賃を滞納したのか」、被告人の説明に疑問を持ち、有罪と判断しました。

チームB
「有罪か無罪かまでは結論は至りませんでした」

チームB
「銀行の防犯カメラに映っていた人はマスクとサングラスで顔を隠していたから、完全にはその人だってことは分からない」

子どもたちの審理を見守っていた現役の裁判官です。

旭川地方裁判所 竹内柊湖裁判官
「『推定無罪の原則』その人が犯人かどうかがしっかり確認できるまで犯人と決めつけない。『疑わしきは被告人の利益に』という原則にのっとって、被告人のために、疑わしいだけでは犯人とは決めつけないというのが刑事裁判の大原則」

被告役
「(将来)やってみたいのはやっぱり弁護人かな。(犯罪を)やっていないということを証明できる役職に就きたい」

「怪しい」と思うことと、「犯人だ」と判断することは違う。人が人を裁くことの難しさがそこにあります。