北海道は今、各地で夏まつりの季節を迎えています。
積丹半島の古平町で150年近く続く珍しい祭りに1年間、カメラが密着しました。
人々の穢れや悩みを焼き尽くす神聖な炎。
古平町に約150年続く火祭り=琴平神社例大祭です。
たけだけしい所作で神輿行列の道をひらくのは猿田彦。
地元では「天狗さま」と呼ばれ、子どもには憧れの存在です。
町の子ども
「めっちゃカッコいい。高下駄で歩けるのがすごい」
”天狗さま”を演じる 五十嵐竜太さん
「おはようございます。きょうは歩行訓練です」
天狗さまを演じる消防士の五十嵐竜太さんです。
本番の3か月前から自宅の裏山で歩行訓練を始めていました。
バランスを取るのが難しい一本歯の下駄で30キロ、神輿行列を先導します。
エゾハルゼミの大合唱が終わるころ、祭りの季節を迎えます。
祭り初日、面をつけた瞬間、五十嵐さんは「天狗さま」になります。
港へ向かう神輿行列、その時。
警固役
「おい!こら!」
猿田彦の警固役が、観光客を指先し、厳しく諭します。
怒られた観光客
「怖かったです。海に投げられると思いました」
猿田彦警固役 堀清喜さん
「神様を横切ったり、神様に対して無礼なことをしたということで怒る」
船底の向こうは深い海・・あす、命を落とすかもしれない。
ギリギリのところで家族のために働く古平の漁師たちの気持ちが厳格な祭りをつくり上げていったと言われています。
御神火入りは、神様の一行が次々に炎に飛び込み、罪、穢れを祓い清める神事です。
炎を担当するのは猿田彦を演じる五十嵐さんの父=敬一郎さん。
大量の鉋屑をくべる父。
息子は、もっと入れろと煽ります。
天狗さまが炎をくぐると祭りは、クライマックスを迎えました。
堀啓知キャスター:
祭りの目的のひとつに地域の絆を深めることがありますが、野宮さん北海道の人口減少はこの担い手集めにも苦労することになりますね。
フリーアナウンサー 野宮範子さん:
古平町はかつて約1万人の人口がいましたけれど、現在は約2,500人に減少していると思います。VTRに出てきた子どもたちにとって、この天狗様は本当にかっこいいスーパースターのような存在だと思います。ですので、憧れを抱いた子どもたちが未来の担い手になってくれればと思います。また、古平町の方々にとって、このお祭りは誇りであり特別な存在だと思いますので、町を離れた人もこの時期には帰ってきたり、町民だけでなくお祭りに来てファンになった方など、町の内外を問わず多くの方が関わりを深めて担い手になっていただければ嬉しいです。そうして伝統を継承していってほしいと思っています。
堀啓知キャスター:
「ハレとケ」という言葉があるように日常を幸せに暮らすためにも祭りのような「ハレ」の日は、必要ですね。
北海道開発技術センター 橋本幸 理事長:
そうですね。お祭りは準備期間も含めて人を孤立させず、ご近所同士や世代間の距離を縮めてくれるコミュニティの役割を果たします。お祭り自体は一瞬の出来事かもしれませんが、終わった後の日常をこそ豊かにしてくれるのではないでしょうか。例えるなら、学校祭を春に行うか秋に行うかという話に似ていますよね。春に行う方が生徒同士の距離が早く縮まるという意見もあります。
堀啓知キャスター:
秋に行うとクラスの習熟度が高まり、信頼関係ができた状態で臨めますけれど、春に行うと一気に仲良くなれますものね。
堀啓知キャスター:
古平町の琴平神社例大祭に1年間密着したドキュメンタリー「天狗さまの火くぐり」は末広がりの8月8日、午後1時からの放送(HBCテレビ・北海道ローカル)です。ぜひ、ご覧ください。














