地政学下で企業に求められる視点

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(高島大浩氏)
「それでは、目まぐるしい地政学的な変化に、企業はどう対応すべきでしょうか。

第一に、迅速な情報収集と意思決定体制の整備です。
地政学リスクは突然発生します。平時から情報収集と分析を行い、判断できる体制を構築することが重要です。

第二に、サプライチェーンの見直しです。
ジェトロの調査では、4社に1社以上が供給網の見直しや再編を実施または検討しています。調達先の多様化やリスク分散は今後ますます重要になります。

第三に、市場の分散です。
今後の有望市場として多くの日本企業が注目しているのがインドです。さらに東南アジア、中東、中南米、アフリカといったグローバルサウス地域も成長市場として存在感を高めています。

一方で、中国市場の重要性は変わりませんが、一国への依存を減らしながら複数市場を開拓する考え方が強まっています。

これからの企業経営では、『中国か、それ以外か』という二者択一ではなく、『中国も含めて複数市場をどう組み合わせるか』という発想が必要になるでしょう。

最後に、日本の強みを磨くことです。
私はまだ日本は世界市場において、巻き返しが出来ると信じております。なぜなら、日本には世界市場で不可欠な製品や技術が数多く存在しているからです。

半導体材料、精密部品、化学素材、製造装置など、日本企業が世界市場で高いシェアを持つ分野は少なくありません。

私たちはこれを『不可欠性』と呼んでいます。世界の企業に『日本の技術や製品がなければ作れない』と思わせることができれば、日本の産業競争力は維持できます。

重要なのは、日本の強みを正しく認識し、その分野に継続的な投資を行うことです。

地政学リスクの時代とは、不確実性の連続です。しかし同時に、世界の貿易や産業構造が変化する時代でもあります。

リスクを恐れて立ち止まるのではなく、変化を冷静に見極めながら新たな市場と機会を取り込んでいくこと。それこそが、これからの日本企業に求められる姿勢ではないでしょうか」

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