倉敷芸術科学大学の卒業制作展が、倉敷市立美術館で開かれています。約70作品の中で最高賞に選ばれたのは、「ガラスをまるで布のように見立てた」作品です。

日本画やアニメーションなどに、学生生活の成果を詰め込みました。

倉敷芸術科学大学の芸術学部4年生72人による卒業制作展です。

約70の作品のなか、教員らの審査によって最高賞の「加計勉大賞」に選ばれたのがこちらの作品(画像参照)です。

ガラスとは思えない柔らかな曲線が美しい「纏(まとい)」。手がけたのは板野尚美さんです。

(倉敷芸術科学大学芸術学部 板野尚美さん)
「一番大きな賞がいただけたので、すごく嬉しいです」

板野さんの作品の特徴は、身近なものをガラスで見立てること。卒業制作も「あるもの」に見立てました。

(倉敷芸術科学大学芸術学部 板野尚美さん)
「布の『ひらめき』や『はためき』をガラスにもたせたい。

ガラスが持つ透明感や繊細さを、そういうものを出しつつも、布の持つやわらかさを同時に表現したい」

出展の直前まで約9か月かけて完成させたという「纏」。その制作は試行錯誤の繰り返しでした。

(倉敷芸術科学大学芸術学部 板野尚美さん)
「電気炉を覗いて、ひらひら加減を見ようとしていたら、こんな風にバリバリに割れていたから全然理解出来なくて。ムカつきというか歯がゆさはありました」

思うようにいかないのがガラスの難しさであり魅力だと、板野さんはいいます。

(倉敷芸術科学大学芸術学部 板野尚美さん)
「最初に考えていたものと近い状態のものができたので安心しました」

ーこれからどんな作品をつくって行きたいですか?
「いろいろと挑戦して、作品の幅を広げていけたらいいなと」

発想力と高い技術でさまざまな見立ての世界を生み出す板野さんです。

卒業制作展は1月22日まで開かれています。