コロナ禍からの回復が一転…「二次被害」の現実

事件現場となったホテル(2023年7月)【この記事の画像を見る】

ホテルの運営管理者の男性
「今なお、売り上げや客数は事件前の半分以下…ずっと赤字が続いている」

事件現場となったホテルは、外見上は事件前の姿に戻ったかもしれない。しかし、経営状態はまったく回復せず、3年たった今も尾を引いている。新型コロナウイルスの猛威がようやく収まり、客足が戻りつつあった矢先だった。

当時は、「一日も早く営業を再開したい」と、何度も警察に掛け合った。何とかして経営を立て直さなければならないという思いがあった。

事件発覚時の現場(2023年7月)【この記事の画像を見る】

犯行現場となった部屋は、特殊清掃を行い、お祓いもした。そして、約3週間後には、現場の部屋があった2階部分を閉鎖した状態で、営業再開にこぎつけた。しかし、現実はあまりにも厳しいものだった。

ホテルの運営管理者の男性
「このような事件が起きて、お客さんが来るわけがないとも思った」

さらにホテルの経営状態を悪化させたのが、従業員の退職だった。第一発見者を含む従業員は、休業中に2人、営業再開後にもまた1人と職場を去って行った。事件前は年中無休だったが、半年間ほど週2日休業せざるを得なくなった。求人の応募は、今もほとんど集まらないという。

ホテルの運営管理者の男性
「起きてしまったことは、もう仕方がない。ホテル側に落ち度があったわけでもなし、偶然、選ばれてしまっただけ。あの親子に対して恨みはありません。早く裁判が終わって、この事件が世間から忘れ去られてほしい」

事件の風化を願う、ホテルの運営管理者の男性がなぜ取材を受けたのか。再び事件が掘り起こされるよりもさらに深刻な事態を危惧しているからだという。

ホテルの運営管理者の男性
「起きてしまったことは事実としてきちんと説明したかった。誤った情報が世に流れることを避けたい」

左から田村浩子被告(スケッチ)・田村瑠奈被告・田村修被告【この記事の画像を見る】

札幌ススキノ男性殺害・首切断事件から3年。殺人や死体損壊などの罪に問われた田村瑠奈被告(32)の犯行を手助けした罪で逮捕・起訴された父・修被告(62)と母・浩子被告(63)は、すでに二審を終え、現在、最高裁へ上告中だ。

高校時代の田村瑠奈被告【この記事の画像を見る】

一方、瑠奈被告については、7月7日、札幌地裁で5回目の公判前整理手続きが行われたが、裁判所と検察、弁護人による協議はほとんど進まず、初公判の日程すら見通しは立っていない。