学校に馴染めなかった子どもたちが全国から集まる、岡山県の全寮制・小中学校があります。「これからが これまでを決める」先生たちはそう語ります。かつて悩み苦しんだ子どもたちの成長を見守ります。

不登校に向き合う全寮制学校

12月、夜明け前の午前6時。学校の一日が始まる。子どもたちは平日の5日間、寄宿舎で寝食を共にしている。

吉備高原のびのび小学校 寄宿舎職員 木口仁美さん
「もうみんな下に降りましたよ。もう声かけに来ないよ。早くおいで」

起きてすぐ、1キロの散歩。寮生活の基本は、早起き、散歩、朝ごはん。

有希さん(小5)
「笑顔がなかった、暗い表情の子だった」

ここで暮らす子どもたちには、それぞれに悩み苦しんだ過去がある。

有希さん(小5)
「いじめかな。絵を馬鹿にされたこと、それが不登校になったきっかけだから。つらかったよ。不登校になるくらいだからつらかったよ」

岡山県の中央に広がる吉備高原。雲海に浮かぶ里山に、学び舎はある。「吉備高原のびのび小学校」と「吉備高原希望中学校」。全国でも珍しい、全寮制の小・中併設校だ。

2025年度、在籍した児童・生徒は20人。不登校や発達の悩みなどで地元の学校に馴染めなかった子どもたちが、全国から集まる。

有希さん(小5)
「ここに入学する前はずっと引きこもりだった」

2025年5月に転校してきた、小学5年生の有希さん。3年生からの1年半は、学校に通うことができなかった。

生活は昼夜逆転。勉強にも空白の期間ができ、家庭内でも笑顔がなくなっていった。両親の勧めもあり、たどり着いたのがこの学び舎だった。

有希さん(小5)
「勉強もできて、笑顔いっぱいの人になりたくて来た」

のびのび小学校が誕生したのは1995年。不登校に悩む児童のための、全寮制の学び舎という、新たな教育への挑戦だった。5年後に希望中学校も開校。生活のすべてを学びの場とし、およそ400人の卒業生を送り出してきた。

吉備高原のびのび小学校 森岡浩美 校長
「社会の中に出ていくための力というのは、集団の中でないと育っていかない力。学校というのは学問を教えるだけではなくて、人間関係の作り方とか、失敗してもくじけないとか。どんどん学校は経験させてくれるんです」