昨今、重油価格の高騰がさまざまな業種に打撃を与えており、農作物の質を保つために環境管理を求められる農業も例外ではありません。
そんな中、重油に頼らない新たな冷暖房システムを作ったトマト農家がいます。トマト農家の目指す、持続可能な農業を取材しました。

海の恵みで育つ「宮トマト」と規格外の活用

有明海に面した長崎県諫早市森山町。この地で70年以上農業を続けている「宮下農園」です。

3代目の宮下清次郎さんは、11年前からミニトマトの栽培を始めました。宮下農園の起源は初代である宮下さんの祖父が米農家を始めたことにさかのぼり、40年前、2代目の父が大玉のトマトを作り始めました。

宮下清次郎さん:
「干潟が一面ばーっと広がっていたという。ここは昭和20年代まで海。干拓地だったんですよね。」

宮下農園があるこの場所は、諫早湾の干拓地です。

「こういう海の貝がちらほらとまだ残っているって感じですね。土壌分析をしても、カルシウムが豊富に含まれていますし、干拓地で作っているからこそのおいしさがあると思います」

海の恵みで育まれた「宮トマト」の年間の収穫量は、約50トンです。そのうち約5分の1は、どうしても規格外となってしまいます。

宮下清次郎さん:
「トマト農家あるあるなんですけど、亀裂が入った、完熟して割れたミニトマトです。一番おいしいです。あまいです。これをどうにかできないかなっていうので」

宮下さんは、熟していておいしい規格外のミニトマトを100%使用し、様々な商品を開発しています。お酒やスープカレー、シェイクなどトマトを無駄にしない農業の可能性を模索し続けています。