NEt-3IBとは──RXRα経路を活性化するレキシノイド化合物

NEt-3IBは、岡山大学で創出された合成レキシノイド化合物です。

レキシノイドとは、核内受容体RXR(レチノイドX受容体)を活性化する化合物の総称です。RXRには、RXRα、RXRβ、RXRγの3種類のサブタイプが知られています。

なかでもRXRαは、免疫応答や炎症制御に関与することが報告されており、NEt-3IBはRXRαを介したシグナルを活性化する化合物です。

RXRαは、ビタミンA代謝産物やオリーブオイル、魚油に含まれる食事成分によっても活性化される調節経路で、これらがドライアイ症状の改善と関連することはすでに報告されています。NEt-3IBはこの内因性の機構を薬理学的に強化するアプローチとして位置づけられます。

なお、従来のレキシノイド化合物は脂溶性が高く、水への溶解性に課題がありました。NEt-3IBも水溶性が乏しいのですが、今回、研究者らはこのナトリウム塩を作成しました。これは水溶性に富んでおり、点眼薬としての実用性を意識した特性を備えています。