市がいま市民に示すべきこと
伊藤名誉教授は、現状の市民の受け止めを「高いな、でも物価高だからしょうがないか、というイメージのような状況」と表現した。そうした曖昧な印象論で事業が進むことへの危機感は強い。
「そうではなくて、どうしてこれだけのお金がかかるのか。これは節約できるとしたらどういう節約が可能なのかとか、そのへんがちゃんと理解できる形でやはり情報を提供するというのが市としての姿勢ではないかなという気がしますね」
具体的には、延べ床面積の縮小や2棟構成の再検討、建設地の見直しといった選択肢を市民が比較できるよう提示することが不可欠だと示唆した。「延べ床面積もまあ今これだけ必要なのかとか、もっとコンパクトでいいんじゃないかとか。まあそういったところも含めて、市民が判断できるような材料を提供するというところが必要でしょうね」
選挙前に必要な情報が開示されず、市民が十分な判断材料のないまま市長選を迎えるとすれば、「市民が一度も意思表示をしないままこれだけ大きな事業が進んだという状況を残すのは、やはりあんまり良くないんじゃないかな」という伊藤名誉教授の言葉は、行政の透明性への根本的な問いかけでもある。
1230億円規模の事業が市の将来にどんな影響を及ぼすのか――その判断材料を示す責任は、市にある。
<関連記事>
▼【1230億円の衝撃】「市民が私のシンクタンク」――いまがその時では? 元熊本市長・幸山政史が問い直す、市庁舎建て替え問題の本質
▼<納得できる?熊本市の庁舎建て替え>当初の2倍の最大1230億円に 自民、公明の市議から懸念の声 専門家「市長選を前に結論を」














