震度7の揺れや巨大な津波が想定されている「南海トラフ巨大地震」。この地震への警戒が高まった時点で、気象庁は「南海トラフ地震臨時情報」を発表しますが、認知度の低さが問題になっています。仕組みの導入から3年半、なぜ広まらないのか。気象庁の長官や専門家による検討会の会長に聞きました。
<気象庁 大林正典長官>
「対象となる地域のみなさんに情報の意味と取るべき防災対応について、理解が進むよう、内閣府などの関係機関と連携して普及に努めていきたい」
1月5日に就任したばかりの気象庁の新しい長官が2023年、力を入れると話したのが、「南海トラフ地震臨時情報」の周知と啓発です。
南海トラフ巨大地震の想定震源域は、静岡県から九州の沖合いまで広がっています。この領域で、地殻変動を観測するデータに通常とは異なる変化があった場合やマグニチュード6.8以上の地震が起きたら、気象庁は「南海トラフ地震臨時情報調査中」という情報を出して、専門家による検討会を開くことにしています。
そして、調査の結果、さらなる巨大地震に注意・警戒すべき時には「巨大地震注意」、または「巨大地震警戒」とキーワードをつけた「臨時情報」を出します。しかし、「臨時情報」が出たら、どう対応したらよいのか、正しく答えられる県民は少ないのが現状です。静岡県が2022年公表した県民意識調査では、臨時情報について知っていると答えた人は26.4%にとどまっています。
<気象庁 大林正典長官>
「緊急地震速報のように、ある程度見聞きするものと比べると(導入から)3年経っても1回も出ていないというような情報なので、やはり、地道に普及啓発の取り組みを進めていくしかないなと思う」
臨時情報の「巨大地震注意」、または「警戒」が出たら、日頃からの地震への備えを再確認します。また、「巨大地震警戒」では、津波や土砂災害などから逃げるのに、困難な場所に住む人や高齢者などには1週間程度、安全な場所への「事前避難」を促します。
専門家による検討会の会長は、私たちひとりひとりが自分にどのようなリスクがあるのか、普段から考えることが臨時情報の理解につながると話します。
<南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会 平田直会長>
「ある意味、普段からきちんと地震に対して備えをして、住居の耐震化や家具の固定をして、津波が来た時の避難の場所をきちんと分かって、訓練をしている人は何もすることはない。その時に慌てるのではなく、普段から心がけることを広くみなさんに知っていただくことが、臨時情報がうまく機能することかなと思う」
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