私たちの身近にある紙幣や切手などのデザインを手がける国立印刷局の工芸官が講師を務める特別授業が、倉敷芸術科学大学で行われました。

緻密な線で描かれた“すずめ”。紙幣を作製するために作られた習作です。

紙幣の肖像画などに用いられる凹版彫刻という技法で、わずか1ミリの幅に10本以上の線を彫るほどの細かさです。

特別授業の講師を務めるのは、紙幣や切手などを製造する国立印刷局の工芸官。

絵画などを学ぶ学生たちに、明治時代から続く紙幣づくりの技術を学んでもらい、将来の可能性を広げてほしいと行われたものです。

「その角度を維持して、なおかつ力を抜いて」

「彫るっていうか、すべらせるようなイメージで。すーっと」

工芸官からアドバイスを受けながら、彫刻に挑戦する学生たち。

ビュランという特殊な彫刻刀で金属板に線を彫ります。紙幣などの偽造を防ぐために必要な精密さと複雑さ。

習熟するには約20年もの月日を要するという難しい技術に苦戦しながらも、黙々と線を彫り続けました。

(学生)
「線が長く引けたときとか、こうやったら引けるんだと思って、おもしろいし楽しいなって思います」

「こんな身近なところにある紙幣に、巧みな技術が含まれていることに驚きを隠せない」

受け継がれてきた手彫りの技に触れた学生たち。芸術表現の幅を広げる貴重な時間となったようです。