「柔道整復師」の国家試験を行う公益財団法人の元理事ら2人が試験問題を漏洩させていた事件の初公判が開かれ、元理事ら2人は起訴内容を認めました。
「間違いありません」
きょう開かれた初公判で、柔道整復師の国家試験の問題を漏洩させていたことを認めた柔道整復研修試験財団の元理事・三橋裕之被告(65)。試験委員だった黒田剛生被告(62)も起訴内容を認めました。
三橋被告ら2人は去年2月、柔道整復師の国家試験の問題に関する情報を事前に仙台市の専門学校に漏らすなどした柔道整復師法違反の罪に問われています。
検察側は冒頭陳述で三橋被告の手口について、こう指摘しました。
検察側
「実際の試験問題に似た問題を専門学校にメールで送った」
JNNは、検察官が指摘したように三橋被告が専門学校に送った“類似問題”を入手しました。そこに書かれていた「必修問題」では…。
模試の問題
「鎖骨骨折の座位整復法にて第1助手の役割は?」
一方、国家試験の問題を見ると…。
国家試験の問題
「鎖骨骨折の整復法で第1助手の役割はどれか」
模試と同じ内容の設問がありました。JNNが入手した模試の36問全てが本番の問題に通じる内容でした。関係者は取材に対し、「国家試験の問題が直前に専門学校で行われた模試と全く同じだった」と証言しました。
きょうの初公判で三橋被告は動機について…。
三橋被告
「自分が講師を務めていた専門学校の合格率が悪かったので、学校のためだった」
黒田被告は…。
黒田被告
「三橋先生とは30年来の仲で、断り切れなかった」
検察側は三橋被告に懲役10か月、黒田被告に懲役1年を求刑しました。判決は来月1日に言い渡される予定です。
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