6月10日は、山口県岩国市出身の作家、宇野千代の命日です。亡くなって30年、ゆかりの人たちが集い在りし日をしのびました。

命日の法要は、宇野千代の墓がある生家近くの教蓮寺で毎年営まれています。ことしは千代が亡くなってから30年にあたることもあり、およそ90人が集まりました。梅雨の晴れ間の青空が広がり、参列者は墓前に手を合わせて故人をしのんでいました。

宇野千代は1897年・明治30年に生まれ、小説「おはん」や「生きていく私」などの作品で知られています。大正、昭和、平成と活躍し、1996年6月10日に98歳で亡くなりました。

宇野千代顕彰会 島津教恵 会長
「女は独り立ちっていうことが全く考えられてない時代に、いっぺんも男の世話になって生きたことがなかった。それがすばらしいなと思います。自由なんですよね、心が。自由でおれるところがすばらしい。それは自分を大切にしたことだなと思って、そういうふうに私たちも生きていけたらいいなと思っております」

千代は着物のデザイナーとしての顔も持っていました。着物を買ってくれた人に出したお礼状のハガキには「88歳の現在ももういっぺん結婚してみたい、などと考えております」と書き添えられていて、米寿にして元気で前向きな様子がかいま見えます。

アジサイ模様の洋服と日傘を身につけた女性もいました。千代がデザインした「宇野千代紬」で仕立てたもので、30年の節目に合わせて着てきたそうです。

宇野千代顕彰会 島津教恵 会長
「人が好きでしたから、たくさんの人が笑顔でお集まりになるようなことは、とても喜ばれてるのではないかと思います」

宇野千代生家は改装が終わり、初夏の新緑に包まれています。参列者は千代が愛した庭を眺めながら、思い出話に花を咲かせていました。