今年の本屋大賞にノミネートされた10作品のうち、『エピクロスの処方箋』と『ありか』の2作品を手がけたのが創業6年の「水鈴社」です。
本屋大賞にノミネートされた当時は編集者が1人でした。編集者が2人加わった現在でもスタッフはわずか10人の小さな会社が、何故このような快挙を成し遂げることができたのでしょうか。「水鈴社」が一作一作にこだわるワケを取材しました。

「一緒にお仕事するとワクワク」ベストセラー作家・瀬尾まいこさんが語る「水鈴社」

今年の本屋大賞にノミネートされた『ありか』の著者・瀬尾まいこさん。実は、2020年に水鈴社が記念すべき第一作目として出版した『夜明けのすべて』も、瀬尾まいこさんの作品でした。今回本屋大賞にノミネートされた感想とともに、瀬尾さんが水鈴社とタッグを組む理由について伺いました。

--本屋大賞にノミネートされた感想

瀬尾まいこさん:
やっぱり読者に一番近い、読者の方に届けてくださっている現場の方が選んでくださっている賞というのはすごく大きいですし、誰かに読んでもらいたいと思っていただけているんだなと嬉しく思いました。
本をたくさん手に取っている方が「誰かに伝えたい」と思って選んでくださっていることがすごく嬉しいです。
もう1か月以上経つんですが、熱気に満ちている会場で書店員さんもたくさん集まっていて、『ありか』に対するポップもたくさん頂けて、すごく幸せな瞬間でした。

--『ありか』についての思い

瀬尾まいこさん:
最高な小説を書かなくちゃいけないという思いもあって、自分の、日頃あまり触れていなかったような薄暗い気持ちや、ずっと持っていた、抱いていた気持ちなども書いたつもりですし、書いた時点で出せるものは出し惜しみせずに書こうとは思いました。
あと、あまり普段テーマを追求して文章を書くことはしないんですけど、「幸せって何なんだろうな」とか、「自分のありかって何だろうな」というようなこともちょくちょく考えながら書いた気がします。

--水鈴社で出版できて良かったと思うか?

瀬尾まいこさん:
それはそうです。もちろんです。そうじゃないと出さないと思いますし、本は絶対に大事にしてくださるのもわかっていますから。
水鈴社の皆さんは、「こんなことを小説でできたら楽しそうだな」とか、「こんなことをやってみたいな」という私の思いつきを形にしてくれる方々でもあります。少数精鋭で皆さんの顔も見えますし、すごく大好きな大事な会社ですし、一緒にお仕事するとワクワクします。

作家・瀬尾まいこさんにとって、水鈴社が大事な“ありか”であることがわかりました。瀬尾さんをはじめ、一人ひとりの作家と真摯に向き合う水鈴社が大事にしていることとはー。水鈴社を立ち上げた社長・篠原さんに聞きました。