能登半島地震から2026年7月で2年半となりますが、地域を支えてきた生業の再生が大きな局面を迎えています。
その灯を絶やさず、つなげていこうと模索する3つの地域の生業から、被災地・能登の未来を探りました。
老舗酒蔵は「地域の灯」

◇田中博史さん…「私、ここから自宅がクルマで3分位のところですが、その角を曲がるとき怖くて曲がれませんでしたもん。能登半島地震で、きっと潰れているだろうと躊躇したのを覚えている。そーっと見たら、建っとるーと思いましたもん」

田中博史さん70歳。石川県中能登町で100年以上続く老舗酒蔵「鳥屋酒造」の6代目です。

震災で建物は無事でしたが、酒米を蒸し上げる機械が壊れ、1000万円近い修理費は公的支援を受けられず、自ら対応するしかありませんでした。

蔵人6人とともに、銘酒「池月」の名を高めてきた田中さんですが、震災を機に、事業承継を考えるようになりました。


◇鳥屋酒造・田中博史社長…「私も年はいきますし、酒蔵がなくなると本当に町が灯が消えたように静かになると、皆さんおっしゃるので、できれば残したいと思い始めたのが、事業承継のきっかけです」

◇鳥屋酒造・田中博史社長…「これ、槽(ふね)と言いまして、この中に最初はもろみを積んでいくのですが、700本くらいに分けて」
もろみを酒と酒粕に分離する槽。これだけ大きな槽を使っているのは、酒どころ石川の中でも鳥屋酒造だけです。

また、仕込みの水の代わりに清酒を使う「貴醸酒」が、1年の熟成を経て2026年秋には販売されるなど、新たな挑戦も行っています。
事業継承へ「銘柄・流通・雇用」



◇鳥屋酒造・田中博史社長…「蔵を残すこともそうですが、池月という銘柄のブランドの維持、もう30年近く取引している小売店の限定流通の維持、酒蔵にしたら珍しく私ども平均年齢40代ですので、その従業員の維持」

すでに国内外から30近い事業承継の申し出があり、銀行のファンド活用も含め年度内には決断する予定です。














