難病を抱える男の子とその母が家族の日常などを描いた絵本を出版し、5月21日、浜松市内の全小中学校に1冊ずつ寄贈しました。絵本を通じて伝えるのは、「自分の幸せは自分で見つけることが出来る」というメッセージです。
浜松市の野秋教育長を訪ねたのは、市内に暮らす、新貝海陽(しんがい・うみひ)くん5歳と母の真夕(まゆ)さんです。
海陽くんは太陽の光に当たると皮膚がんを引き起こすリスクがあり、成長とともに身体の自由が失われる難病の色素性乾皮症と闘っています。
<海陽くん>
「(絵本が)できあがった。良かったね」
<母・真夕さん>
「よかったよ」
<野秋愛美 浜松市教育長>
「(絵本を)読んでくれた子も元気になる。うみちゃんのおかげです。」
母の真夕さんが絵本で描いたのは、家族の日常です。
"太陽にあたれないけれど、いのちに限りがあるけれど、世界は100倍、楽しめる。あなたの心にも、太陽の花が咲きますように。"
生後3か月の海陽くんです。
家族とともに公園から帰宅した夜のことでした。
<母・真夕さん>
「親としてはこの状態を見るだけで涙が止まらなくて。この子は、一生陽にあたれない。色素性乾皮症だったら私よりも早く死んでしまう」
診断されたのは、色素性乾皮症。この病気の特徴は、紫外線を避け続けても10歳を過ぎる頃からは、神経や身体の機能低下がみられるようになるとされています。治療法は、まだありません。
<母・真夕さん>
「泣いていても意味がない。心臓に杭を刺すイメージで、もう私は泣かない、次のことをやるって決めてインスタグラムを始めた」
海陽を救うために。何かしてあげられることはないかー
SNSを通じ世界中の人とつながることで、「未来を変える」きっかけを探しています。
<母・真夕さん>
「どうにかして天才につながりたいという思いでSNS毎日発信しているんですけども、もっと広がれるように。つながってつながってつながっていく先には必ず、出会いたい人に出会えると思っていたので」
そして、真夕さんは色鉛筆を揃え自ら絵を描きました。絵本の主人公は、海陽くんです。
<母・真夕さん>
「(絵本は)何年経ってもそこにある。時間が経っても、何十年経っても本というのはつないでいってくれるものなんじゃないかなって思って」
<絵本からの抜粋>
"うみちゃんはちょっぴりゆうきをだしてそとのせかいへとびだしました"
"ボクわかったんだ。こころのなかにしあわせをみつけること。しあわせのこころでみればこのせかいはキラキラがいっぱいだ!"
"さぁきせきをむかえにいこう"
"キミはどこへいってみたい?"
<母・真夕さん>
「自分が幸せと思えることが一番なのではないかなと思いまして、それを(絵本を通じて)届けられたらなと思う」
<母・真夕さん>
「切符ください」
<海陽くん>
「はい」
治療法がまだないという現実のなかでも、親子は今を生きる幸せを噛みしめ、歩んでいます。














