この時期しか飲めない「新茶」の季節がやってきました。ですが、お茶をつくる工程にも中東情勢がじわり影を落とし始めているようです。

濃厚な香りとコク。爽やかな甘みが特徴の狭山茶。今年も新茶の季節がやってきました。今年も良い出来だということですが…

奥富園 奥富雅浩さん
「(業者から)値上げの通知もきていますし、今後どうなっていくのか不安です」

お茶農家の頭を悩ませているのが、中東情勢です。

埼玉県狭山市で江戸時代から続く老舗の茶農家・奥富園では、こんなところにも影響が出始めているといいます。玉露や抹茶などを作る際、お茶摘みの3週間ほど前から茶葉を覆うためのネット。太陽の光からさえぎることで旨味成分が高まるといいます。

奥富園 奥富雅浩さん
「(Q.どういった原料でできている?)ビニール製品ですので、(ネットの仕入れ価格も)最低でも2、3割は上がるのかな」

高品質なお茶づくりには欠かせないそうですが、石油由来の素材のため、20~30%の値上がりが予想されています。

さらに、摘み取った茶葉をお茶にするには蒸して乾燥させる工程が必要ですが、その茶葉を蒸す機械も乾燥させる機械も、どちらにも重油が使われています。こちらも高騰。

機械だけでなく…

奥富園 奥富雅浩さん
「『荒茶』と呼ばれる半製品を一時保管しておく容器になります」

お茶を酸素や湿度から守りながら保存する容器も、石油由来のプラスチック素材。お茶の包装紙も、ナフサ由来です。

つまり、茶畑から私たちの手に届くまで、お茶づくりのほぼ全ての工程が石油や石油由来の素材に支えられているんです。

去年の秋と比べて、3割近く上がっているという重油や資材の価格。

奥富園 奥富雅浩さん
「欲しい時に資材が入らないのは、そこで(お茶づくりが)止まってしまう。計画を全部変更しないといけないのでなかなか難しい」

中東情勢の影響はお茶の世界に留まりません。大手・カゴメはナフサを原料とするインクの使用量を減らすため、ケチャップの一部商品のパッケージを5月下旬から順次、変更すると発表しました。

私たちの食卓に並ぶ身近な商品。その多くの製造工程に中東情勢が影を落としています。