シンナーの原料となる「トルエン」「キシレン」 商社やメーカーは…?

シンナーの原料はナフサ由来の溶剤、トルエンやキシレンだ。

政府がシンナー不足の原因を目詰まりとしているのは、原料が前年並みに供給されているのを確認したからだという。

赤沢亮正 経済産業大臣
「石油化学企業においてシンナー原料となるトルエンやキシレン、国内向け供給は前年実績並みに継続されている。国が言うんだからちゃんと信じてくださいね」

経産省の統計によると、3月のトルエンとキシレンの生産量、出荷量は前の年の同じ月に比べ、1割〜2割減少していた。

不足分はどう補われたのか。
シンナーメーカーに聞くと…。

シンナーメーカーA社
「調達が厳しかったトルエンですが、最近は韓国からの輸入品が商社から入ってくるようになりました。政府は足りていると言いますが、実際は輸入品も含めて、企業努力でかき集めているという感じです。まわりの業者の状況をみても『目詰まり解消』にはクエスチョンマークが残ります」

シンナーメーカーB社
「経産省にどこの会社の何が入ってこないのかを伝えたら、原料が入ってくるようになりました。ただ、3月に3割~5割だった入荷量が6割くらいになっただけです」

メーカーに原料を販売する商社を取材すると、企業規模によって温度差もあった。

大手系列の化学品商社C社
「トルエンは普段余って輸出しているくらいですが、4月は急きょ韓国から輸入しました。4月はトルエンの出荷制限をかけていましたが、5月は通常の体制に戻れるのではないかとみています」

中堅の化学品商社D社
「国内での仕入れに関しては、まだまだ厳しい状況です。足りない分は海外からの調達で補填していて、自転車操業です。トルエン・キシレンは主に中国から輸入していますが、危険物のため、いくつもの書類や手続きが必要で、簡単ではありません」

経産省は引き続き、目詰まりの解消を目指すとしているが、物流に詳しい赤沢編集長は「簡単ではない」と指摘する。

LOGISTICS TODAY 赤澤裕介 編集長
「大手企業は、メーカーと直接契約を結んでいる。長期契約などを履行しなければいけないという発想になるので、そこには優先的に物が流れる。中小零細の建築塗装会社の立場に立てば、大手の塗料メーカーと直接契約できるようなルートを持ってない。政府が大手やメーカーに対して『目詰まり解消せよ』と、交通整理してくださいとやって、それが実現したとしても、末端の販売会社が大手メーカーから直接入れられるわけではない。そこの難しさは当然残る。事業継続が難しいというような業種・業態も出てきている」

シンナー不足をきっかけに、4月に行われた「緊急アンケート」。建設業界への影響の深刻さが浮き彫りになった。