「アクセサリー以上に、彼女自身に触れてほしい」

松田さんは自身のブランド「kawaika」を立ち上げた。ブランド名の由来は、長崎弁で「かわいい」を意味する「かわいか」。

「『かわいか~!』と言うとき、皆さん自然と笑顔になっているんですよね。その笑顔が、私の作品を通じてどんどん広がっていくといいなという気持ちを込めて名付けました」

かつては自分の姿を「見られたくない」と人目を避けていた彼女が、今度は自分が起点となって、誰かを笑顔にしたいと願う。そのブランド名は、松田さん自身の再生の合言葉でもあった。花をモチーフにしたその独特のデザインと、松田さんの明るいキャラクターは口コミでどんどん広がり、次第にファンを増やした。

右は夫の大輔さん

結婚11年目となる夫・大輔さんは、彼女の成功を少し違う視点で見守っていた。

「友紀さんが一番伝えたいのは、アクセサリーそのものの美しさもあるけれど、リウマチを患っていても感謝を持って元気に生きる姿。笑顔と勇気を与えるのが彼女のコンセプトなんです。だから、極論を言えばアクセサリーは”後付け”でいい。彼女は、存在そのもので誰かを励ませる人間なんです」

イベント会場では、対面販売にこだわる。「インスタを見て、友紀さんに会いたくて来ました」というファンが列を作る。彼女の指先を見、彼女の笑顔に触れ、自分の悩みさえも「友紀さんを見ていると、明日からまた頑張れる」と前向きに変えていく人々。

彼女が願う「みんなと会うことで、笑顔と勇気を届けたい」という思いは、今、この場所で結実していた。

前編:16歳で寝たきりに。失われた「普通」の青春を読む