国際情勢の悪化を背景に核弾頭を増強するなど軍備拡大を進めるフランス。若者世代に義務づけられている“1日兵役”がより強化されている実態を取材しました。
記者
「ここでは参加者がレーザー銃を手に持ち、射撃の練習が行われています」
フランス軍の施設で、教官の合図とともに一斉にレーザー銃を構える若者たち。フランス政府はおよそ30年前に徴兵制を廃止した代わりに、16歳から25歳の国民に一日だけ軍隊で教育を受ける義務を課しています。
これまでは軍事関係の映像を見てアンケートに答える形式的なものでしたが、去年9月から内容が突然、大幅に刷新されました。
その背景にあるのが…。
アメリカ トランプ大統領
「アメリカが有事の際に彼ら(NATO加盟国)は助けに来るだろうか?私は確信が持てない」(去年3月)
「私が最も望んでいなかったのは、NATOが邪魔をすることだった。彼らはただの張り子の虎だ」(今年4月)
トランプ大統領が就任以降ちらつかせるNATO=北大西洋条約機構からの脱退。ロシアによるウクライナ侵攻やイラン情勢の悪化などを踏まえ、マクロン大統領は核弾頭を増やす方針を発表し、軍備拡大へと舵を切りました。
フランス マクロン大統領(去年11月)
「法よりも力が優先される不確実な世界において、危険を回避する唯一の方法はそれに備えることだ」
こうした方針を受け、「一日教育」もより実戦的なものに。
教官
「さあ、中東で危機だ!人質事件も発生していますからね」
中東で発生した紛争からフランス人を救出する事態を想定し、教官が指令を出して参加者は戦術を考えます。
参加者
「部隊や民間人、そして物資を輸送する航空機が使えます」
装備品の使い方も軍人から学びます。政府は「教育」としていますが、“一日兵役”とも言える内容。しかし、参加者の意識は様々です。
参加者(17)
「武器を見て怖いというか、とても現実的に感じました。考えたことはなかったのですが、軍関係に進むのもアリかもしれません」
参加者(18)
「免許など資格を取るのに必要だから参加しました」
若者たちは「参加した」という証明書がないと運転免許証が取得できなかったり、就職先が制限されたりするということです。
「軍の一日教育」責任者 ソフィー・ペローさん
「『一日教育』が刷新されて、より軍事的かつダイナミックで、若者が実際に楽しめるものになりました。防衛への意思を高めてほしいです」
フランス政府は今年9月から18歳と19歳を中心に志願制の兵役を始める予定で、自国防衛の動きが加速しています。
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