大井川鉄道が経営改善に向けて大きく舵を切ることを決めました。

川根本町の千頭駅と静岡市葵区の井川駅を結ぶ井川線を6月から観光列車に変更し、大幅な値上げに踏み切る方針を固めたことが分かりました。この方針変更に地元からは反発の声も。

4月27日午後、大井川鉄道に要望書を提出したのは川根本町の町議ら。大井川鉄道の経営方針に異を唱えました。

27日明らかになったのは、大井川鉄道の大幅な値上げ方針。対象となるのは国内で唯一、アプト式列車が走る井川線です。

井川線は大井川鉄道のうち、川根本町の千頭駅と静岡市葵区の井川駅を結ぶ、急こう配の山間部を走る路線です。この路線について大井川鉄道は、6月1日から運行形態を観光列車に変更し、現在の運賃に加えて企画料金を上乗せする方針を固めたのです。

千頭駅と井川駅の間の料金は、これまでの運賃1340円に企画料2160円を上乗せし、片道で3500円、約2.6倍となる見通しです。

大井川鉄道によりますと、井川線はここ15年、定期券の購入がなく、事実上、地元の足としては機能しておらず、観光向けに特化することで収益の改善を図る狙いがあるということです。

ただ、大井川鉄道側の試算では、値上げによって井川線の利用客は1割程度減る見込みで、地元からは反発の声も上がります。

<寸又峡美女づくりの湯観光事業協同組合 望月孝之代表理事>
「値上げが唐突で、あまりにも金額が大きすぎて、そして一番本当困るのは、観光だけで生きている寸又峡だと思って考えています」

川根本町の町議らは、27日午前、名古屋市にある国土交通省中部運輸局を訪れ、▼料金の改定について大井川鉄道が地元に丁寧な説明をすることや▼料金改定の価格や時期を地元側と協議することを要望しました。

<川根本町議会 中原緑副議長>
「決して私たちは値上げを反対しているわけではない。一緒にこの大井川鉄道をもっと利用してくれる、お客様が喜んで乗っていただけるような地域にしていきましょうよという、納得のいく話し合いをしていければと思う」

値上げで経営基盤の安定化を図りたい大井川鉄道と説明が足りないとする地元側。両者の主張は平行線をたどっていて着地点は見いだせない状況です。