「この人は何者なのか」――台本にない解釈も広げる役との向き合い方
俳優としての姿勢にも、その積み重ねは色濃く表れている。台本に書かれたことをなぞるだけでなく、その奥にある意味を探り続ける。それが佐野さんの一貫したスタンスだ。演じる際にも、「この人は何者なんだろう」と問い続け、「そもそも、この世に存在している人なのか?と思うくらいのこともある」と、役の根幹を問う考えが浮かぶことも。
これまでの作品でも、監督やプロデューサーと対話を重ねながら、「台本には書いてあるけど、もっとこういうことなのではないか、と広がっていくことは多い」と、解釈を広げてきた。幼い頃から親しんできた映像作品の影響もあり、「そういう読み方が体に染み付いているのかもしれないです」と思い返す。
本作では、永作博美さん演じる子育てを卒業した主人公・待山みなとが、第二の人生で飛び込んだ “鮨アカデミー”に、生徒の一人として通うダンディで多才な紳士、立石船男を演じる。“ダンディ”というキャラクターに対して、「最初に台本を読んだ時は“詐欺師”かと思いました(笑)」と振り返るほど、今回も役に対する解釈を広げ、「こんな人いるのかな、というくらい怪しい」と当初は感じたという。
しかし読み進めるうちに、「逆にその“分からなさ”が面白い」と感じるように。そうした曖昧さや揺らぎをあえて残すことで、「一体何者なんだろう、というところを楽しんでもらえたら」と話す。
「一体何者か」。その問いから、「“なぜ私たちはここにいるのか”など、そういうところまで広がっていけば」と、さらにその先の広がりについても口にする。














