世界中のサイクリストを魅了する絶景のルート「しまなみ海道」。

全長約60キロ、これまでに全線を直通で利用した車は累計で約3000万台に上るこの大動脈は、高速道路としての全線開通から20年を迎えました。
開通がもたらしたのは、劇的な利便性の向上だけではありませんでした。
【開通20年】劇的な時間短縮と「5億円」の経済効果
まず、挙げられるのが、移動時間の短縮です。
かつてフェリーを乗り継いで2時間40分もかかっていた今治―尾道間は、車でわずか1時間ほどに短縮。
島々を隔てていた「海という壁」がなくなり、人々の行き来は劇的にスムーズになりました。
そして、病院への患者の救急搬送が迅速に行えるようになり、船を使用していた開通以前と比べて気象条件の影響も受けづらくなりました。

さらに、経済へのメリットも大きく、2年に1度開かれる「サイクリングしまなみ」では世界各国からサイクリストが訪れ、2024年の開催では5億円を超える経済効果があったということです。
一方で、20年という時の流れとともに課題も浮き彫りになっています。
【浮き彫りになる影】「立派な橋はあるのに…」失われた島の足
橋の開通と引き換えに、それまで島民の移動手段だったフェリー航路の多くが姿を消しました。
20年が経ち、高齢で免許を返納する住民が増える中、「立派な橋はあるのに、自力では海を渡れない」という切実な問題が起きています。

伯方島にあるクリニックでは、患者の半数以上が別の島から通院しています。
自力で通えない高齢者は近隣住民に送迎を頼み込むしかなく、見かねた院長自らが毎週、橋を渡って訪問診療に駆け回る綱渡りの状況が続いています。














