熊本県南阿蘇村立野、その新所区で熊本地震の慰霊式が行われ、20人余りが花を手向けました。

新所区では、ダムの貯水タンクが損壊し大量の水と土石流がふもとの9世帯を襲い、夫婦が亡くなりました。

新所区 元区長 山内博史さん「私たちは、2人の死とは別に生を与えられたので、精一杯これから先も生きていきたい」

自宅が全壊し土地を離れざるをえなかった山内博史さん。我が家があった場所は今、ダムの復旧工事の現場となっています。

山内博史さん「災害は人間の知恵で食い止めることはできないかもしれないが安全性を高めて被害を小さくすることはできる。人と人とのつながりを人は減っても忘れないでずっと続けていきたい」

一方、同じ立野で娘の墓を守り、故郷で暮らし続ける遺族もいます。90歳の郷テルミさんです。

熊本地震で長女の一美さんを亡くしました。

郷テルミさん「思い出すと涙が出るばってんね」

本震の日、娘の身を案じて駆けつけたテルミさんが見たのは、倒壊した娘の家でした。前日までテルミさんの家に避難していたといいます。

郷テルミさん「『もうひと晩泊まったらどう?』と言ったら『揺れがないから大丈夫』って」

立野地区では地震の後、村を離れる人も多く、周りには一人暮らしが増えました。

郷テルミさん「それでも、一人でもうちにいたいと思います。立野から離れたくないしね。やっぱり娘と話したいですね。お母さんを大事に見て、加勢してねって言いたい」