福島県内で長く愛されている老舗の今を伝える『老舗物語』。
今回は郡山市で、県内外から多くの人が訪れるドライブインです。“亡き兄から受け継いだ味を守り、これからもお客さんを満足させたい”3代目店主の思いに迫ります。
香ばしく炒めた豚バラ肉に、特製ダレを絡めた「焼肉定食」。オープン当時から続く昔ながらのラーメン。
今回の老舗物語は、郡山市にあるロードサイドのオアシス食堂「舞木ドライブイン」です。
--橋本浩栄智さん(舞木ドライブイン 3代目)「『前のじいちゃんから連れられて来たんだわい。』なんていう人も来ますし、長年やっているとそういうのがありますので。そういうのはうれしいですよね。」
3代目店主の橋本浩栄智さん。従業員とともに店を切り盛りしています。
午前11時の開店直後から店内はすぐ満席に。厨房もフル稼働!中華鍋を振る軽快な音が食欲を掻き立てます。そんな店の特徴の一つがこの「盛りの良さ」。
ごはんは並盛で500グラム。これでも十分多いですが、大盛りはなんと1キロ!一般的な大盛りと思って注文すると…。思わず笑いが…。
長年にわたり、訪れた人たちの胃袋と心を満たす舞木ドライブインですが、その裏には、意外な歴史がありました。
--橋本さん「当初は舞木の駅前の方でお菓子屋をやっていました。」
いまからおよそ100年前、祖父の義正さんが、郡山市の舞木駅前に和菓子の店として開きました。その後、父・朝義さんが代を継ぎますが、時代の流れと共に需要は減少。
そこで1973年、新たな商売として始めたのがドライブイン型の食堂です。なぜドライブインを選んだのでしょうか?
--橋本さん「菅原文太さんの『トラック野郎』が、うちの父は大好きで、そのトラック野郎にあこがれて、ドライブインを作ったんじゃないかなと思います。」
きっかけは、笑いあり涙ありの昭和を代表する映画『トラック野郎』。父・朝義さんは、「和菓子店」と「食堂」2つのハンドルを握り突っ走りました。すると、食堂は話題となり、いまでは県内外から年間5万人が訪れる大人気店に成長しました。
--須賀川市の会社員「とってもおいしいです!」
--地元の人「うれしいですよね。本当にこういうお店、今後も残っていってほしいなと思うのでまた食べに来たいと思います。」
午前6時。舞木ドライブインの朝は、仕込みから始まります。
--橋本さん「やっぱり大変ですね。それでもギリギリですね。」
この日はチャーシューの仕込み。煮込んだタレは、開店当時から親しまれるラーメンのかえしになります。
2012年に店を継いだ橋本さんですが、以前は、建設業界で土木関係の仕事をしていました。
--橋本さん「小さい頃から店を手伝ったりしていましたし、うちの兄は病気がちで、手伝ったりしていたので、そんなに違和感なく入れましたよね。」
そして、料理一筋だった2代目で兄の正敏さんから店の味や技術を教わった橋本さん。当時は厳しく指導されたといいます。
--橋本さん「ともかく、一から十まで教えるんじゃなくて、“やっているのを見て覚えなさい”と。まじめに料理しろってことでしょうね、一番は。」
県内外から多くの人が訪れる舞木ドライブイン。そんな店の一番人気はというと・・・。
ボリューム満点の焼肉定食。香ばしく焼いた豚バラ肉に特製ダレが絡んだ一品で、訪れる人の4割が注文しているといいます。
--地元の会社員「焼肉定食一択ですね。味が濃くて、ご飯がすすみます。」
--福島市の会社員「一口食べただけでもごはん何回もかき込みたくなるような、そんな味付けで。」

人気の秘訣はこの特製ダレ!みそをベースに、ニンニクやショウガなどおよそ10種類をブレンドした自家製なんです。さらに、驚くのは、この店ならではの独自の作り方。
--橋本さん「当店は昔からお菓子屋なもんですから、あんこを作る機械で攪拌して、独自の味を作っています。」
え、あんこの機械!?
橋本さんによりますと、熱を加えながら混ぜることができるため、角がとれたまろやかな味わいに仕上がるといいます。
一方、店内のメニュー表を見てみると、気になるものを発見!「和風オイル焼肉定食」?
さっそく注文してみると・・・。炎をまといながら豪快に肉を焼き、隣では野菜を炒めるという、中華鍋の二刀流!そして出来上がったのが舞木ドライブインオリジナル「和風オイル焼肉定食」です。
香ばしく焼いた豚バラ肉をポン酢でさっぱりと食べられ、ここ数年で人気急上昇中なんです。

地元のみならず、県内外の多くの人に愛される舞木ドライブイン。橋本さんはこれからも、地域と共に歩み続けていきます。
--橋本さん「地元のお客様を含めて、皆様を満足させるような店でありたいなと思いますし、私の後ろには、大きな兄が立っているので。あの世からうちの兄に怒られないような料理を作っていきたいなと思います。」
『ステップ』
福島県内にて月~金曜日 夕方6時15分~放送中
(2026年4月2日放送回より)














