23日、全面開通した島根県出雲市多伎町の国道9号。

1年3か月もの間、片側交互通行が続いていました。この影響で客足が減った町のラーメン店を支えたのは地元住民の存在。

店が考えたのはこども食堂による恩返しでした。


去年8月の豪雨による山の地滑りで長らく片側交互通行となっていた出雲市多伎町の国道9号。

23日、1年3か月ぶりに全面開通しましたがその2日前、道沿いのラーメン店で準備されていたのが・・・。

らーめん工房海 鳥谷海斗さん
「これ、ケーキですね」

意外にも、ケーキ。
その理由が。

らーめん工房海 鳥谷海斗さん
「全国的にこども食堂が流行ってて、なんですけど島根でなかなかないんですよねこども食堂が。」

この日開催する子ども食堂です。

3年ほど前、前の店舗を引き継いで営業を始めたこの店。まもなく起きた新型コロナの感染拡大に去年、国道の通行止めが追い打ちをかけ、客足が遠のいたと言います。

らーめん工房海 鳥谷海斗さん
「結構混んだりもするので片側(交互通行)だと。どうしても下道を使わないって人も結構いますんで」

そんな時でも足を運んでくれた地元の客に恩返ししようと始めたのがこども食堂。月に1度、地元の親子らを招待し、小学生から高校生には無料で食事をふるまっています。

メニューは子どもが好きな鶏の照り焼きやナポリタンなど。ラーメンだけでは飽きるだろうと毎月工夫を凝らしています。

利用客は
Qいっぱい食べた?
「ごはんおかわり!」
「美味しいです。」
「毎月利用させていただいています。家計にすごい助かってます。これからも利用したいと思います」

店は道路の復旧後も地域への恩返しを続けていくとしています。

らーめん工房海 鳥谷海斗さん
「常連さん、来てくれる人たちにもなんかサービスとかいろいろしたり考えたりもしていますんでまたここからどんどん、うちだけでなく多伎全体として盛り上がっていけたらと思う」

待ちわびた幹線道路の復旧。地域経済の復興にも期待がかかります。