古くから信仰を集める静岡県三島市の三嶋大社で、約90年ぶりとなる大規模な改修工事が進められています。

社殿の屋根を葺き替えるため、巨大な棟飾りを地上に下ろすなど現場には特別な光景が広がっていました。

三嶋大社の境内の一番奥に足場で囲まれた一角があります。国の重要文化財に指定されている「社殿」。ここで行われているのが「令和の大修理」です。

<三嶋大社広報室 鈴木成年権禰宜>
「後世に伝えていくためにも、今回この事業でしっかりと補修をして安全に進めてまいりたい」

三嶋大社は、関東大震災(1923年)と北伊豆地震(1930年)の2つの震災で傷つきました。

それでも人々の思いと職人の手によって修理され、今回、耐震補強工事と併せて、91年前に屋根に張られた銅の板約6500枚を葺き替えます。

その作業に先立ち行われた解体作業現場にカメラが入りました。屋根の高さは16メートルで東海地域で最大級。両端に据えられたXの形に交差した部材「千木(ちぎ)」を地上におろします。

交差する千木の一辺の長さは5メートル80センチもあります。

<屋根の板金を担当 小野工業所番頭 坪井健二さん>
「でかいの一言です。でかいな。本来長くても半分ぐらいですよ。普通の神社さんね。こんなでかいの初めてです」

屋根に直角に並ぶ、神社に特徴的な部材は「勝魚木(かつおぎ)」といいます。

「勝魚木」を覆う銅板は、90年の月日を経て変色。その風合いは神社の歴史そのものです。

<三嶋大社 矢田部盛男宮司>
「長い間、風雪に耐えて神様をお守りする屋根を支えていたものですので、しっかりと修理を施して、また無事に神様をお守りいただけるような改修をきちっとしたいと思っております」

「大鬼(おおおに)」と呼ばれるのは、魔よけの意味を持つ装飾です。

この「令和の大修理」、使える部材は極力再利用しながら進められます。新たな歴史を刻み始めた三嶋大社。地域のシンボルを守る耐震補強と銅板すべてを対象とした葺き替え工事は、2027年12月末の完了を目指しています。