冬のいまが見頃のサザンカ。愛知県豊橋市に「さざんか寺」と呼ばれるお寺があります。およそ3500本ものサザンカは、住職が3000万円以上をつぎ込んで増やしたもの。その思いとは。

「このサザンカを世に出してほしい…」


「ひたむきさ」という花言葉通り、厳しい寒さの中で色鮮やかな花を咲かせる、サザンカ。豊橋市にある医王寺(いおうじ)。


およそ3500本のサザンカが植えられ3年前には「さざんか寺」という名前で商標登録されました。20年ほど前までは本堂の脇にある樹齢250年のサザンカなど、数本しか咲いていませんでしたが…

(医王寺 山田正臣住職)
「私の祖父母が、ぜひこのサザンカを世に出してほしいという願いがありまして。できれば、日本一のさざんか寺を作ってみようかなと」

住職の山田さんは、祖父から寺を継いだあと、寺をサザンカでいっぱいにすれば寺離れが進む中、人が集まってくれるのではと「さざんか寺」を作ることを決意。

寺の周りの田畑などを購入し、その土地代や整備費も含め、およそ3000万円以上をつぎ込みました。


日本で見られる種類のおよそ8割が…

そんな医王寺に27日、運ばれてきたのは、およそ100種類・500本のサザンカ。しかもこれまで医王寺にはなかった品種です。

(医王寺 山田正臣住職)
「日本ツバキ協会(恵泉女学園大学名誉教授)の箱田直紀会長が、大学にあるサザンカをこちらに譲渡したいと(言ってくれた)」

(日本ツバキ協会 箱田直紀会長)
「住職の熱意に打たれた。来た人たちに楽しんでもらうということも含めて、品種を残しながら、それを次の時代に引き継いでもらいたい」

これで、日本でみられる種類のおよそ8割がこの寺に集まったということです。

(医王寺 山田正臣住職)
「人の命と一緒です。木の命も人の日の地と同じように大切にしていきたい」

「さざんか寺」で地域を盛り上げたい…きょうも住職はひたむきにサザンカの手入れを続けます。