患者から使用しないはずの“劇薬”「ビンクリスチン」が検出

問題の発端は、去年。白血病の治療中だった患者3人が脊髄の近くにある「髄腔」に、抗がん剤を注射されました。ところがその後、患者の容態が急変。2人が意識不明の重体となり、先月には10代の男性1人が死亡しました。

3人の患者からは本来、使われるはずがなかった「ビンクリスチン」と呼ばれる抗がん剤が検出。神経障害などを引き起こすおそれもある“劇薬”で、髄腔への投与が禁止されています。この薬が、重篤な神経症状を引き起こした可能性が高いとみられています。
なぜ、使用されるはずのない“薬”が検出されたのか。病院側は当時の管理体制について。
埼玉県立小児医療センターの会見(11日)
「調整から運搬、投与に至る手順は、普段通りに手順通りにやられていたと確認しています」

病院側によると、この薬を管理する薬剤室に入るには、3つのドアをカードキーで解錠する必要があります。誰がいつ入ったかは、記録が残ります。
さらに「ビンクリスチン」は保管庫に入っています。一部の職員しか触れることが出来ません。調剤後も容器に入れて運び、投与の際も医師と看護師がダブルチェックをしていたといいます。

埼玉県立小児医療センターの会見(11日)
「記録が分単位で書いてあるので、その間に何か別のことをするのは非常に難しい」
ただ、「ビンクリスチン」がなぜ患者の体内に入ったのかは、わかっていません。
病院に通う患者や家族からは、不安の声も。
この病院に通う子を持つ父親(30代)
「事件なのか事故なのか、原因もよくわかってないところだと思う。うちの子に同じようなことがあったら怖い」
この病院に通う子を持つ母親(30代)
「先生方は普段通院していて、すごく良くしていただき信頼しているが、なぜこういうことが起きたのかということで戸惑っている」

一方、今回新たに判明した患者からは「ビンクリスチン」は検出されなかったということです。
埼玉県立小児医療センターの会見
「(Q.2人の神経症状の原因)正直に申し上げて、わかりません」
今回の問題について、専門家は。

名古屋大学 長尾能雅 教授(患者安全推進学が専門)
「毒性や怖さは、抗がん薬を扱う医療者の間では特に知られている。ヒューマンエラー対策はかなり進んでいる。調査結果についてしっかりと共有できるような、透明性を維持した調査が必要」














