茨城県の介護施設で、点滴に注射器で空気を注入し、入所者2人を殺害したなどとして、殺人と窃盗の罪に問われた元職員の女の裁判。きょうの裁判から、2人目に死亡した入所者の審理が始まりました。

茨城県古河市の介護施設で職員として勤務していた赤間恵美被告(40)は、2020年、入所していた鈴木喜作さん(当時84)と吉田節次さん(当時76)の点滴に注射器で空気を注入し、殺害したなどの罪に問われています。

これまでの裁判で、赤間被告は殺人の罪について「私は空気を注入していません。殺害していません」と述べ、無罪を主張しています。

きょうの裁判から、2人目に死亡した入所者の吉田さんについての審理が始まりました。

検察側は冒頭陳述で、事件前の吉田さんの体調について「特段の異常がなかった」としたうえで、吉田さんの容体が急変する直前、「赤間被告が吉田さんのそばで注射器のシリンジを動かす様子を介護士が目撃している」と指摘しました。

また、事件後に介護施設の仮眠室や赤間被告のロッカーにあった荷物からシリンジが見つかり、このうち、仮眠室で見つかったシリンジから吉田さんに処置されていた点滴の輸液の成分や赤間被告のDNA型が検出されたと主張しました。

一方の弁護側は「吉田さんには持病があった」としたうえで、「高齢者施設で高齢の入所者が亡くなったという出来事。赤間さんによる殺人事件ではない」と反論。また、赤間被告が吉田さんのそばでシリンジを動かしたとする証言については「被告は吉田さんが車椅子からベッドに移ったときの位置や体勢が気になって部屋に戻り、シリンジに触れたが、それは点滴の異常に気づいたからだ」と主張しています。