去年1年間のインターネットバンキングでの不正送金の被害額が初めて100億円を超え、過去最悪になったことが警察庁のまとめでわかりました。
警察庁によりますと、去年1年間の全国の警察によるサイバー犯罪の摘発件数は1万5108件で、過去最多となり、5年連続で1万件を超えました。インターネットバンキングでの不正送金の被害額は去年1年間でおよそ103億9700万円にのぼり、過去最悪となりました。
不正送金の手口のおよそ9割は実在する企業を装ったメールで偽サイトに誘導し、パスワードなどの情報を盗む「フィッシング」で、去年1年間の報告件数は前年からおよそ74万件増えて過去最多の245万4297件でした。
おととし秋以降、「ボイスフィッシング」というインターネットバンキングの更新手続きなどをかたった電話で情報を聞き出し、フィッシングメールを送る手口も確認されています。フィッシングによる被害は証券口座にも広がり、証券会社を装うフィッシングメールの報告件数は31万6414件、それに伴い証券口座の不正取引額もおよそ7408億円と深刻な状況となっています。
また、データを暗号化して使用できない状況にし、身代金を要求するコンピューターウイルス「ランサムウェア」による被害の報告は226件と企業を狙ったサイバー攻撃も深刻化しています。
ランサムウェア被害からの復旧費用が1000万円以上かかった企業は全体の半数を超え、さらに、1か月未満で復旧した割合は全体の5割ほどに留まるなど、被害が長期化し、企業の経営に大きな影響を与えるケースが出てきています。感染経路のおよそ6割以上がVPNなどのネットワーク機器からの侵入で、パスワードが簡単なものになっているなど管理の不備が原因に挙げられています。
AIを使ったサイバー犯罪も広がっています。生成AIを使って個人情報を流出させる不正なプログラムを作成した少年や、フィッシングサイトを作成した男が逮捕されるなど、専門の知識がなくてもAIを悪用して容易にサイバー犯罪を行える状況となっていて、警察庁は警戒を強めています。
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