原発は町の“希望”だった

劇中の役者
「大熊に原子力発電所をつくることが、いよいよ決まった」
「え。原子力発電所って?」
「未来のエネルギーを使って電気を作るところだ」

劇中の役者
「これから大工事が始まる。地ならしから建設まで、たくさんの人手が必要になる。もう、冬に出稼ぎさ行かなくていーんだ」
「ほんと。ずっとお父さんと一緒にいられるの?」

劇では、原発がやってきたときの町民の希望を描きました。

当時掲げられた看板。原発は「明るい未来のエネルギー」と呼ばれ、地域の産業としてなくてはならないものに。

宍戸隆子さん
「明るい未来のエネルギーというのを見ながら高校時代は過ごしていた。うちの高校のだいぶ前の先輩がその標語を作った」

原発のすぐそばで生まれ育った宍戸さんですが、時に抱いていた不安もセリフに盛り込みました。

劇中の役者
「原子力って原爆と同じものなんでしょ?危なくないんだべか?」
「原爆と原発は違うべ」
「~んだけども…」

しかし。

劇中の役者
「おばあちゃん?なにこれ…揺れてる?地震?」

安全だと信じていた原発が水素爆発。

宍戸隆子さん
「富岡町に両親とおばが残っていて、私の住んでいる伊達市まで避難させて。電気がついて慌ててテレビとかパソコンをつないでいるときに、爆発映像が入ってきて」

劇中の役者
「あんた、この責任をどう取るつもりだよ?俺たちは死ぬかもしれないんだぞ」

あの日の怒り、混乱、一番こだわったシーンです。

劇中の役者
「もう長くねぇ身だ。死ぬならあの家で死にたい」