巨大な揺れも直後に“津波”よぎらず

震災前の米沢商会

震災前米沢さんは、父親が創業した商店を継ぎ、この被災ビルで、包装資材・製菓材料などを販売していました。2011年3月11日午後2時46分、この店から100mほど離れた自社倉庫にいる時に巨大な揺れが。

「ゴゴゴという地鳴りのような音の直後にものすごい揺れに襲われた。とたんに次々と棚が大きな音とともに倒れ、床に大量の荷物が散乱した。3分間の激しい揺れだったが、このままおさまらないんじゃないかと思うほど、長く感じられた」と振り返ります。

しかし揺れの直後に最初に頭に浮かんだのは「津波か来る!避難だ!」という警戒感ではなく「店でけが人が出ているのでは」という懸念でした。店に駆けつけると、1階にいた弟から「けが人はいないよ」との報告が。胸をなでおろしたのと同時に、同じく店の状況を心配した両親が、自宅からやってきました。

被災ビルの中

話し合った末、両親と弟は店の片付けをしてから、米沢さんはもう一度倉庫に行ってから、おのおの一次避難所であった近隣の「市民会館」に行くことにしました。倉庫に着いた米沢さんが片付け作業をしていると、「津波襲来」を告げる防災無線の放送が。家族のことが心配になり再び店に戻ると、すでに両親と弟の姿はなく、市民会館に避難していました。「もう安心だ」一度抱いた不安は消え「津波」の文字は頭から薄れていきました。