旧統一教会に解散を命じた東京地裁の決定をめぐり、東京高裁はきょう、改めて解散を命じました。高裁が決定で「解散命令以外に見当たらない」と指摘した、その理由とは。

記者
「午前11時すぎです。旧統一教会の関係者が東京高裁からでてきました。険しい表情をしているように見えます」

東京高裁の決定を受け、きょう報道陣の前に現れた旧統一教会の顧問弁護士。

旧統一教会 福本修也 顧問弁護士
「結論は抗告棄却です」

高裁が示したのは、旧統一教会の「解散」です。1審に続き、信者らによる献金などの勧誘は「民法の不法行為」にあたるとしたうえで…

東京高裁
「多くの人に多額の財産上の損害と多大な精神的な苦痛が発生した」

顧問弁護士は。

旧統一教会 福本修也 顧問弁護士
「信じられないですね。こんなことがあっていいのかなと。法治国家ではないなという感想に尽きます」

教団側は、去年3月の地裁決定後に返金要求に対応するための補償委員会を設置。さらに、高裁の審理が終了するまでの間にあわせて172人の元信者との間でおよそ35億円の集団調停が成立していることなどを踏まえ、こう主張していました。

旧統一教会側
「被害回復を進めており、解散の必要はない」

これに対し、東京高裁はこう指摘しました。

東京高裁
「信者らによる不法行為の根本的な原因が旧統一教会にあると認めた上で行われたものではない」

そのうえで「不法行為を防止する実効性のある手段は、解散命令以外に見当たらない」としました。

きょう、教団はコメントを発表。

旧統一教会側
「証拠裁判主義に反して下された“結論ありき”の不当な判断」

高裁の決定を不服として、最高裁に特別抗告をする方針です。

元妻による多額の献金で長男が自殺に追い込まれたと訴える橋田達夫さん(67)。喜びの表情を浮かべ、教団に対して被害者への賠償を強く求めました。

旧統一教会による被害訴え 橋田達夫さん
「やっと被害者のためになるというか、みなさんのために結果が出てきたなと思う。いい加減にしろと言いたいです。これから一人ひとりの返済を求めます」

旧統一教会をめぐっては、きょうの決定に至るまでに様々な動きがありました。

教団の総裁・韓鶴子氏に捜査のメスが。韓総裁は教団の元幹部らと共謀し、尹錫悦前大統領の妻・金建希被告などに不正に金品を提供したなどとして逮捕・起訴され、李在明大統領は旧統一教会を念頭に、政治介入した宗教団体について「解散命令」も含めて法的な対応を検討するよう指示しています。

日本でも…

旧統一教会 田中富広 前会長
「改めてお詫びをさせていただきます。申し訳ありませんでした」

長年「旧統一教会の顔」として、対応に当たってきた田中富広氏が謝罪したうえで会長を辞任しました。揺れる教団内部。こうした中で、きょう解散が命じられました。

今後、およそ1100億円を超えるとされる教団側の資産が高額献金の被害者への賠償などにあてられる「清算手続き」が始まります。文部科学大臣は。

文部科学省 松本洋平 大臣
「この清算が円滑かつ確実に進められ、被害者の救済がなされることを期待し、可能な限りの支援をしてまいりたい」

被害を訴える元信者らへの救済につながるか、注目されます。